毎年夏になると、街中に響きわたるセミの大合唱。
しかし、今年は「なんだかセミが鳴いていない」「声が少ない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、セミの基本情報から、2025年の夏にセミが少ない理由まで、わかりやすく解説します。
セミとはどんな昆虫?
まず、セミについて簡単におさらいしておきましょう。
セミの特徴
分類:カメムシ目セミ科 日本に生息する種類:アブラゼミ、ミンミンゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシなど 寿命:地中生活が3〜7年、地上に出て成虫として過ごすのは1〜2週間ほど 鳴く理由:オスがメスを呼ぶため 鳴き方:種類によって特徴的な声(ジジジ、ミーンミーンなど)
夏の短い成虫期間に繁殖のため鳴き続けるため、セミの声は日本の夏の風物詩として親しまれています。
今年(2025年)の夏、セミの声が少ないと言われる理由
実際にSNSやニュースでも「セミが鳴かない」という声が多く上がっています。その背景には、いくつかの理由が考えられています。
1. 猛暑による影響
2025年の日本は6月下旬から猛暑が続き、35℃を超える日が多く記録されています。
ポイント
セミは極端に暑いと活動が鈍る。 35℃を超えると鳴くのを控える傾向がある。
このため、例年なら朝から鳴いているセミも、涼しい時間帯だけ鳴き、日中はじっとしていると考えられます。
2. 羽化の失敗
急激な高温の影響で、地中から出てきた幼虫がうまく羽化できないケースも報告されています。
羽化失敗の事例
殻から抜けきれずにそのまま弱ってしまう。 羽が曲がったまま固まる。
これにより成虫になる数が減り、全体的な鳴き声が減ったと考えられます。
3. 空梅雨と地温不足
今年は梅雨の雨量が例年より少なく、土壌の温度や湿度のバランスが崩れています。
羽化条件
地温18〜23℃程度で安定していることが必要。 空梅雨で地中が乾燥し、羽化が遅れる。
結果として、セミの活動開始がずれ込んでいる地域もあります。
4. 地域差
関西・中四国ではまだセミの声が少ない地域が多い一方、関東・都市部ではすでに鳴き始めているところもあります。地域や気候の条件によって違いが出やすいのも特徴です。
セミは減っている?いなくなった?
「セミが絶滅したのでは?」という心配の声もありますが、専門家によればそうではないようです。
✅ 今年は気温や湿度の条件で発生のタイミングが遅れた。
✅ 鳴かないだけで、朝晩の涼しい時間には活動している可能性が高い。
このため、7月下旬から8月にかけて声が増える見込みもあります。
これからの観察ポイント
セミは日本の季節を知る手がかりにもなります。鳴き声が増えるタイミングを見逃さないために、以下の点をチェックしてみましょう。
✅ 早朝(5〜8時頃)、日中よりも涼しい時間帯に観察する
✅ 公園や街路樹など木が多い場所を訪れる
✅ 羽化の抜け殻が見られるか確認する
まとめ
今年は例年と違ってセミの声が少なく感じるのは、猛暑・空梅雨・羽化の失敗などが重なったためです。
しかし、季節が進むにつれて声が増えてくる可能性があります。
これからの真夏、少しずつ「夏の合唱団」が活動を本格化させるかもしれません。
セミの声に耳を傾けながら、今年の夏の変化を感じてみてください。
参考情報
TBS NEWS DIG「35℃超えるとセミが鳴かない?猛暑が影響」 Yahoo!知恵袋「セミの羽化に失敗しているのを見ました」
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