全国共通で申請できる出産・育児制度まとめ(初心者向け完全ガイド)

話題

はじめに:出産を迎えるあなたへ

赤ちゃんが生まれるというのは、人生でもっとも喜ばしい瞬間のひとつです。

しかし同時に、たくさんの手続き・申請・給付制度があり、

「何を」「いつ」「どこに」出せばいいのか分からないという方も多いはずです。

特に日本では、国(全国共通)・都道府県・市町村・勤務先と、

複数の制度が重なっているため、情報が分散しているのが実情です。

この記事では、

✅ 全国どこに住んでいても申請できる「国レベルで共通の制度」だけを整理し、

✅ 初めての出産・子育てでも迷わないように、

具体的に流れと申請方法をわかりやすく解説します。

第1章 出産時に申請できる全国共通の制度

出産前後は、健康保険や雇用保険から受けられる給付金が中心になります。

いずれも全国共通(健康保険法・雇用保険法による)制度であり、

会社員・パート・自営業など立場に応じて対象が異なります。

1-1. 出産育児一時金(健康保険)

出産にかかる費用を補助する制度で、全国どこでも1児につき42万円が支給されます。

(産科医療補償制度未加入の病院では40.8万円)

ほとんどの病院が「直接支払制度」を導入しており、

出産費用から自動的に差し引かれる形で精算されます。

🔹申請先:加入している健康保険(会社員は勤務先経由、自営業は市区町村)

🔹申請時期:出産後すぐ(病院で説明あり)

🔹ポイント:双子は84万円、帝王切開でも追加請求は不要

1-2. 出産手当金(給与の代わり)

産前42日、産後56日の間に会社を休む女性に支給される手当です。

給与の約3分の2が健康保険から支給され、生活を支えます。

🔹対象:社会保険(健康保険)に加入している女性

🔹支給額:標準報酬日額の2/3 × 休業日数

🔹期間:産前42日+産後56日(双子の場合は産前98日)

🔹申請先:勤務先→健康保険組合・協会けんぽ

申請書は産後に医師の証明をつけて提出します。

支給までに1〜2か月ほどかかるので、早めの申請が大切です。

1-3. 妊婦健診助成(母子保健法)

妊娠が確定したら、市区町村に「妊娠届出」を行い、

母子健康手帳とともに妊婦健診の補助券を受け取ります。

これは全国で共通して行われている母子保健法に基づく制度で、

公費で14回分の妊婦健診が受けられます。

助成額は自治体によって異なりますが、制度自体は全国共通です。

第2章 育児休業・社会保険・会社関係の制度

出産後の生活を支えるのが「雇用保険」と「社会保険」による支援です。

2-1. 育児休業給付金(雇用保険)

育児休業中の所得を補う制度で、

休業開始から6か月間は給与の67%、それ以降は**50%**が支給されます。

🔹対象:雇用保険に1年以上加入している父母

🔹期間:原則1歳まで、延長で最大2歳まで

🔹申請先:ハローワーク(勤務先が手続き)

パートや契約社員でも条件を満たせば対象となります。

夫婦で育休を分け合うと給付期間を延ばせる「パパママ育休プラス」制度もあります。

2-2. 出生時育児休業(産後パパ育休)

2022年に新設された制度で、

父親が出生後8週間以内に最大4週間(分割可)休むことができます。

🔹給付金:給与の67%

🔹申請:勤務先経由でハローワークへ

🔹メリット:父親も早期に育児参加できるよう設計

2-3. 社会保険料免除制度

育児休業中は、健康保険料・厚生年金保険料が全額免除になります。

免除中も年金加入期間としてカウントされるため、将来の年金額に不利益はありません。

🔹申請先:勤務先経由で年金事務所

🔹期間:育休開始月から復職月の前月まで

第3章 子どもが生まれてから受けられる全国共通手当

出産後は「児童手当」「児童扶養手当」などが中心です。

3-1. 児童手当(全国共通)

0歳から中学卒業までの子どもを養育する家庭に支給されます。

子の年齢支給額(月額)
3歳未満15,000円
3歳〜中学生10,000円
所得上限超世帯5,000円

🔹申請先:住民登録地の市区町村

🔹支給日:偶数月(2・6・10月)に2か月分まとめて

3-2. 特別児童扶養手当(障がい児対象)障がいのある子どもを養育している家庭に支給されます。

等級支給額(月額・令和6年度)
1級(重度)53,700円
2級(中度)35,760円

3-3. 児童扶養手当(ひとり親家庭)

ひとり親家庭や養育者がいない家庭に支給される手当です。

子の人数支給額(満額)
第1子45,500円
第2子以降+10,750円/人

第4章 税金で得をする全国共通の制度

子どもが生まれたら、税金面でも大きな控除があります。

4-1. 扶養控除

16歳以上の子どもを養育していると、所得税・住民税が軽減されます。

子どもが小さいうちは対象外ですが、学費がかかる高校生以降で大きな節税効果があります。

4-2. 配偶者控除・配偶者特別控除

妻が産休・育休で収入が減ると、夫が配偶者控除を受けられます。

夫婦合算で数万円の税軽減になります。

4-3. 医療費控除(出産費用も対象)

出産・入院・交通費などのうち、出産育児一時金を差し引いた残額が10万円を超えると、

医療費控除の対象になります。

第5章 母子保健・医療制度

出産前後には「母子健康手帳」「乳幼児健診」「予防接種」が全国共通で実施されます。

  • 母子健康手帳交付(妊娠届出時)
  • 乳児健診(4か月・10か月・1歳半・3歳児)
  • 定期予防接種(無料・全国共通スケジュール)

第6章 申請の流れとタイミング

時期主な手続き
妊娠確定後妊娠届出・母子手帳交付
出産前出産手当金・育休予定申出
出産直後(14日以内)出生届・健康保険加入・児童手当申請
出産後1か月医療証交付・乳児訪問・健診
育休中育児休業給付金・保険料免除
復職時家族手当・時短勤務申請
翌年3月医療費控除・扶養控除確認

第7章 よくある間違い

  1. 出生届の提出期限(14日以内)を過ぎてしまう
  2. 児童手当の申請を遅らせて1か月分損する
  3. 育休給付金の初回申請を4か月以内にしない
  4. 医療費控除で一時金を引くのを忘れる
  5. 社会保険料免除を会社が申請していない

第8章 全国共通でも自治体で差が出る部分

  • 妊婦健診の助成金額
  • 医療費助成の年齢上限
  • 出産祝い・子育て応援券の有無
  • 保育料の算定基準

これらは「制度自体は全国共通」ですが、金額や方法は自治体によって差があります。

高槻市のように医療費が高校生まで無料の自治体もあります。

第9章 実際に利用する際のコツ

  • 申請書類はコピーして控えを残す
  • 支給までに2〜3か月かかることを想定
  • マイナポータルを活用すると申請が楽(児童手当など)
  • 会社・市役所・ハローワークを「時系列」で回ると効率的

第10章 まとめ:知らないと損をする国の制度

出産や育児は、お金も時間もかかります。

しかし、国はさまざまな形で「子育てを支える制度」を用意しています。

制度を正しく使えば、出産〜1年間で100万円以上の給付を受け取ることも珍しくありません

💡最後にひとこと

出産・子育ての手続きは、役所・勤務先・病院の3か所で完結します。

焦らず、リストに沿って一つずつ済ませていけば大丈夫です。

制度を知っているだけで、心にもお財布にもゆとりが生まれます。

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