どうも、おはよう、こんにちは、こんばんは。ミギーです。
米国株や米国ETFへ投資していると、定期的に配当金や分配金が入ってくることがあります。
株価の値上がりとは違い、実際に現金として証券口座へ入金されるため、
「投資を続けていてよかった」
「次は何に使おうかな?」
と、うれしく感じる瞬間ではないでしょうか。

米国株から配当金が入った!
何に使おうかな?
外食でもしようかな。それとも、また株を買おうかな♪
しかし、証券口座の入金履歴を見てみると、
「思っていたより受取額が少ない」
と感じることがあります。
米国株の配当金は、原則として米国と日本の両方で税金が差し引かれるからです。
米国で税金を引かれた後に、日本でも税金が引かれるため、同じ配当金に対して二重に課税されているような状態になります。
ただし、日本で確定申告をして「外国税額控除」を利用すると、米国で引かれた税金の一部または全部を、日本の所得税などから差し引ける可能性があります。

米国株から配当金を受け取ったときは、米国と日本で税金が引かれることがあるよ。
確定申告で外国税額控除を利用すれば、税負担を軽くできる可能性があるんだ。
今回は初心者向けに詳しく見ていこう♪
ただし、確定申告をすれば必ず税金が全額返ってくるわけではありません。
また、NISA口座で受け取った米国株の配当金は、日本では非課税になりますが、米国で引かれた税金について外国税額控除を利用できないのが一般的です。
米国株の税金は少し複雑なので、
- 米国株の配当金から何%引かれるのか
- 特定口座なら確定申告は不要なのか
- 20万円以下なら申告しなくてもよいのか
- 外国税額控除とは何か
- NISAでも米国の税金は引かれるのか
- 確定申告をすると本当に得なのか
- どのような書類が必要なのか
について、投資初心者の方にも分かるように解説します。
※この記事は、一般的な米国株や米国ETFの配当課税を想定したものです。REIT、MLP、パートナーシップ銘柄、ADRなどは税率や取り扱いが異なる場合があります。実際の申告について不明な点がある場合は、税務署または税理士へご確認ください。
米国株の配当金にはどのような税金がかかる?
日本に住んでいる人が、国内の証券会社を通じて一般的な米国株や米国ETFの配当金を受け取る場合、原則として次の順番で税金が差し引かれます。
- 米国で原則10%の税金が引かれる
- 残った金額に対して日本で20.315%が引かれる
日本の20.315%の内訳は、一般的に次のとおりです。
| 税金の種類 | 税率 |
|---|---|
| 所得税 | 15% |
| 復興特別所得税 | 0.315% |
| 住民税 | 5% |
| 合計 | 20.315% |
日本の税金は、米国で10%を差し引いた後の金額に対して計算されます。
そのため、配当金の額面から単純に30.315%が引かれるわけではありません。
配当金が1万円なら、手取りはいくら?
米国株から1万円の配当金を受け取ったケースで計算してみましょう。
1.米国で10%が引かれる
1万円×10%=1,000円
米国で1,000円相当の税金が引かれ、残りは9,000円です。
2.日本で20.315%が引かれる
9,000円×20.315%=約1,828円
3.実際の受取額
1万円-1,000円-約1,828円=約7,172円
| 内容 | 金額 |
|---|---|
| 配当金の額面 | 10,000円 |
| 米国で引かれる税金 | 約1,000円 |
| 日本で引かれる税金 | 約1,828円 |
| 実際の受取額 | 約7,172円 |
つまり、一般的な米国株の配当金では、額面の約71.7%が手元に残る計算です。
ただし、実際の金額は為替レート、端数処理、証券会社の計算方法、銘柄の種類などによって変わります。
なぜ米国と日本の両方で税金が引かれるの?
米国企業が支払う配当金なので、まず米国で税金が課されます。
さらに、日本に住んでいる人は、原則として国内外で得た所得が日本の課税対象になります。
そのため、同じ配当金について、
- 配当を支払った国である米国
- 投資家が住んでいる国である日本
の両方で税金が発生します。
これを放置すると、海外へ投資した人の税負担が重くなってしまいます。
そこで日本には、外国で納めた一定の税金を、日本の所得税や住民税から差し引く「外国税額控除」という制度があります。
国税庁は、日本の居住者が外国所得税を納付した場合、一定の範囲で日本の所得税額から差し引ける制度として外国税額控除を案内しています。
米国株の配当金は確定申告が必要?
結論として、国内の証券会社で特定口座の「源泉徴収あり」を利用している場合、米国株の配当金について確定申告をしなくてもよいケースが一般的です。
証券会社が日本の税金を計算し、配当金から差し引いて納税してくれるからです。
ただし、確定申告が不要だからといって、申告できないわけではありません。
外国税額控除を受けたい場合や、株式の譲渡損失と配当金を損益通算したい場合などは、確定申告を検討することになります。
確定申告が原則不要になる主なケース
1.特定口座の「源泉徴収あり」で受け取っている
特定口座の源泉徴収ありを選択している場合、証券会社が売却益や配当金に対する日本の税金を計算して納付します。
そのため、その口座内の配当所得や譲渡所得について、申告不要を選択できます。
国税庁も、源泉徴収ありの特定口座について、口座内の上場株式等の譲渡所得を申告不要にでき、上場株式等の配当も口座へ受け入れられると説明しています。
ただし、米国で引かれた税金について外国税額控除を利用したい場合は、確定申告が必要です。
2.上場株式等の配当について申告不要制度を選ぶ
証券会社を通じて受け取った一定の上場株式等の配当については、税金が源泉徴収されているため、申告不要制度を選べる場合があります。
何もしなければ、証券会社で税金が引かれて手続きが完了します。
3.NISA口座で保有している
NISA口座で保有している対象商品の売却益や配当・分配金は、日本では非課税です。
金融庁も、NISA口座で投資した金融商品から得られる売却益や配当・分配金は非課税になると説明しています。
ただし、米国株の配当については、NISA口座であっても米国側の原則10%は差し引かれます。
この点は後ほど詳しく説明します。
4.まだ株を売却しておらず、配当も受け取っていない
株価が値上がりしていても、売却して利益を確定していなければ、通常は含み益に対してすぐに税金がかかるわけではありません。
ただし、配当金は入金された時点で所得が発生しているため、
「株を売っていないから、配当金も申告とは無関係」
というわけではありません。
「20万円以下なら申告不要」の本当の意味
よく聞くのが、
「会社員なら投資の利益が20万円以下なので、確定申告は不要」
という説明です。
これは一部正しいのですが、誤解しやすいルールです。
一定の給与所得者について、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円以下であれば、所得税の確定申告が不要になる場合があります。
国税庁は、給与を1か所から受け、給与の全部が源泉徴収の対象になっている人について、給与所得・退職所得以外の所得金額が20万円を超える場合などに、確定申告が必要になると説明しています。
しかし、注意点がいくつかあります。
注意1.20万円は「収入」ではなく「所得」
20万円の判定に使うのは、基本的に収入額ではなく所得額です。
例えば副業で30万円の売上があり、必要経費が15万円なら、所得は15万円です。
ただし、配当所得の場合は、一般的な副業のように自由に経費を差し引けるものではありません。
注意2.住民税の申告が必要になる場合がある
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告まで自動的に不要になるとは限りません。
源泉徴収されていない所得がある場合は、市区町村への住民税申告が必要になることがあります。
一方、特定口座の源泉徴収ありで税金が処理され、申告不要を選択している上場株式等の配当や売却益については、通常は別途申告しない形になります。
自分の取引がどの扱いになるか不明な場合は、住んでいる市区町村へ確認しましょう。
注意3.確定申告をするなら20万円以下の所得も記載する
医療費控除、住宅ローン控除の初年度、寄附金控除など、別の理由で確定申告をする場合があります。
その場合、
「投資の利益は20万円以下だから書かなくてよい」
とは限りません。
確定申告をする以上、申告対象となる所得は原則として申告書へ含める必要があります。
20万円ルールは、一定の給与所得者が所得税の確定申告をしなくてもよいかどうかを判定するルールであり、所得そのものが非課税になる制度ではありません。
注意4.特定口座の源泉徴収ありとは別のルール
特定口座の源泉徴収ありでは、利益が20万円を超えていても、口座内で税金が処理されていれば申告不要を選べます。
反対に、源泉徴収なしの口座や一般口座で利益が出た場合は、20万円ルールを含めて申告の必要性を判断します。
つまり、
20万円以下だから申告不要
=すべての投資家に当てはまる
というわけではありません。
口座の種類、給与の状況、ほかの所得、確定申告をする理由などによって扱いが変わります。
外国税額控除とは?
外国税額控除とは、海外で納めた一定の所得税を、日本の所得税などから差し引く制度です。
米国株の配当金の場合、米国で引かれた原則10%の税金について、一定の限度額まで日本の所得税から控除できる可能性があります。
ただし、証券会社が自動的に返金してくれるわけではありません。
外国税額控除を利用するには、原則として確定申告が必要です。
外国税額控除を利用するとどうなる?
先ほどの1万円の配当金を例に考えてみましょう。
米国では約1,000円が引かれています。
確定申告で外国税額控除を利用し、1,000円を全額控除できた場合、日本で納める所得税などから1,000円相当を差し引ける可能性があります。
ただし、
- 所得金額
- 日本で納める所得税額
- 国外所得の金額
- ほかの外国税額
- 所得控除の状況
などによって、控除できる金額は変わります。
米国で引かれた1,000円が、そのまま現金で全額振り込まれる制度ではありません。
あくまで、一定の限度額まで日本の税金から差し引く制度です。
外国税額控除の計算式
元の原稿では、外国税額控除の計算式に同じ言葉が重複していました。
所得税の控除限度額は、基本的に次の考え方で計算します。
所得税の控除限度額
=その年の所得税額
×その年の調整国外所得金額
÷その年の所得総額
簡単にいうと、日本で納める所得税のうち、海外で得た所得に対応する部分までが控除の上限になります。
例えば、所得全体に占める国外所得の割合が小さければ、外国税額控除の限度額も小さくなる可能性があります。
国税庁は、外国税額控除には控除限度額があり、外国所得税を納めたからといって必ず全額を控除できるわけではないことを示しています。
控除しきれなかった場合はどうなる?
外国所得税額が控除限度額を超え、1年ですべて控除できない場合があります。
一定の条件を満たせば、控除余裕額や控除限度超過額を翌年以降へ繰り越せる場合があります。
一般的には、外国税額控除の余裕額や超過額について、3年間の繰越制度があります。
ただし、繰越控除を利用するには、必要な年について継続して申告書や明細書を提出するなどの条件があります。
「今年は控除できなかったから、来年勝手に返ってくる」という仕組みではありません。
外国税額控除を受けるときの申告方法
米国株の配当について外国税額控除を利用する場合は、確定申告書で配当所得を申告し、外国税額控除の内容を入力します。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、画面の案内に沿って入力できます。
税務署へ紙の申告書を提出する方法もありますが、マイナンバーカードなどを利用してe-Taxで申告する方が、入力や計算を進めやすい場合があります。
一般的に準備するもの
外国税額控除を申告する際は、主に次の資料を準備します。
- 確定申告書
- 外国税額控除に関する明細書
- 特定口座年間取引報告書
- 配当金の支払通知書
- 外国所得税が課されたことを示す資料
- 国外所得の金額を確認できる資料
- 前年以前から繰り越す金額がある場合は、その計算資料
- マイナンバーカードなどの本人確認書類
証券会社によって書類の名称や確認方法が異なります。
最近は、特定口座年間取引報告書を電子交付している証券会社が多いため、証券会社のウェブサイトやアプリからダウンロードしておきましょう。
証券会社の年間取引報告書を確認する
特定口座年間取引報告書には、一般的に次のような内容が記載されています。
- 配当等の額
- 源泉徴収された所得税
- 源泉徴収された住民税
- 外国所得税の額
- 株式の譲渡損益
- 配当と譲渡損失の通算結果
外国税額控除を入力するときは、外国所得税の額を確認します。
外国税額控除の対象になる金額と、年間取引報告書に表示される金額が一致するとは限らないケースもあるため、不明な点は証券会社や税務署へ確認しましょう。
米国株の配当は総合課税と申告分離課税のどちら?
上場株式等の配当を確定申告する場合、一般的には、
- 総合課税
- 申告分離課税
のいずれかを選択することになります。
どちらが有利かは、所得、税率、株式の損失、各種控除などによって変わります。
総合課税とは?
給与所得など、ほかの所得と配当所得を合算して税額を計算する方法です。
所得が少ない人は、源泉徴収された税率より実際の所得税率が低くなり、還付が発生する可能性があります。
ただし、所得が高い人は税率が上がるため、総合課税を選ぶことで税負担が増える場合があります。
また、日本企業から受け取った一定の配当には「配当控除」がありますが、外国法人から受け取った配当は、日本の配当控除の対象になりません。
国税庁も、外国法人から受け取る配当等は配当控除の対象外と説明しています。
米国株の配当で利用を検討するのは、配当控除ではなく外国税額控除です。
名前が似ていますが、別の制度なので注意しましょう。
申告分離課税とは?
上場株式等の配当を、給与所得などとは分けて一定の税率で計算する方法です。
申告分離課税を選ぶ大きな理由の一つが、上場株式等の譲渡損失との損益通算です。
例えば、
- 米国株の配当金:10万円
- 株式の売却損:10万円
という場合、一定の条件を満たして申告すれば、配当金と売却損を通算できる可能性があります。
国税庁は、源泉徴収口座に上場株式等の配当を受け入れた場合、同一口座内の譲渡損失と確定申告をせずに損益通算できる場合があると案内しています。
複数の証券会社をまたいで損益通算する場合や、損失を翌年以降へ繰り越す場合には、確定申告が必要です。
確定申告をすると損をする場合もある?
外国税額控除を受けられるからといって、確定申告が必ず有利とは限りません。
申告によって所得金額が増えると、ほかの制度に影響する可能性があります。
例えば、
- 国民健康保険料
- 後期高齢者医療保険料
- 介護保険料
- 配偶者控除や扶養控除の判定
- 保育料
- 各種給付や助成制度
- 所得制限のある制度
などです。
会社員で健康保険や厚生年金に加入している場合でも、配偶者の扶養判定や各種給付の所得要件へ影響する可能性があります。
外国税額控除によって戻る税金が数千円でも、ほかの負担が増えれば、家計全体では不利になることがあります。
確定申告をするかどうかは、
返ってくる外国税だけでなく、申告による家計全体への影響
で判断する必要があります。
NISA口座の米国株配当はどうなる?
NISA口座で保有している米国株や米国ETFの配当金は、日本では原則非課税です。
そのため、通常の課税口座で引かれる日本の20.315%は課税されません。
ただし、米国で引かれる原則10%は残ります。
例えばNISA口座で1万円の配当金を受け取る場合、一般的には次のようになります。
| 内容 | 金額 |
|---|---|
| 配当金の額面 | 10,000円 |
| 米国で引かれる税金 | 約1,000円 |
| 日本で引かれる税金 | 0円 |
| 実際の受取額 | 約9,000円 |
課税口座の約7,172円と比べると、NISA口座の方が手取りは多くなります。
NISAでは外国税額控除を利用できない
外国税額控除は、日本と外国で同じ所得に税金がかかった場合の二重課税を調整する制度です。
NISAでは、日本側の税金が非課税です。
つまり、日本では税金を納めていないため、米国で引かれた税金を日本の税金から差し引く外国税額控除は、原則として利用できません。
したがって、NISA口座の米国株配当では、米国で引かれた原則10%がそのまま残ることになります。
これはNISAの欠陥というより、日本側で課税されていないため二重課税になっていないという考え方です。
NISAなら国内株の配当は必ず非課税?
日本株の配当金については、NISA口座で保有しているだけで、すべての受取方法が自動的に非課税になるとは限りません。
上場株式の配当金をNISAで非課税にするには、一般的に「株式数比例配分方式」で受け取る必要があります。
金融庁も、受取方法によってはNISA口座で購入した株式の配当金であっても非課税にならない場合があると注意を促しています。
ただし、米国株の配当は通常、証券口座で受け取る形になるため、日本株の配当受取方式とは扱いが異なります。
米国ETFの分配金も同じ扱い?
VOO、VTI、SPYD、HDV、VYM、AGGなど、米国籍ETFから受け取る分配金も、基本的には米国株の配当と同じように考えます。
一般的な米国籍ETFでは、
- 米国で原則10%
- 日本で20.315%
が差し引かれます。
課税口座では外国税額控除を利用できる可能性があります。
NISA口座では日本の税金は非課税ですが、米国の原則10%は引かれ、外国税額控除は利用できません。
ただし、ETFの所在地や仕組みによって扱いが異なることがあります。
「海外のETFだから全部同じ」と考えず、米国籍ETFなのか、国内上場ETFなのかを確認しましょう。
国内投資信託の外国税はどうなる?
米国株へ直接投資するのではなく、国内の投資信託を通じて外国株へ投資している方もいると思います。
国内の投資信託や国内上場ETFでは、ファンド内部で外国税が引かれ、その後、投資家への分配時に日本の税金がかかることがあります。
この二重課税を調整するため、一定の商品では「二重課税調整制度」が導入されています。
証券会社や運用会社が計算する仕組みであり、個人が通常の外国税額控除を申告する米国株の直接投資とは異なります。
分配金の明細に「外国税」「外国所得税」「分配時調整外国税相当額」などの表示がある場合は、商品の説明書や証券会社の案内を確認しましょう。
米国株の売却益にも米国税がかかる?
日本に住んでいる一般的な個人投資家が、米国株を売却して利益を得た場合、通常は米国で売却益への税金を引かれず、日本で課税されます。
米国株の売却益に対する日本の税率は、原則として20.315%です。
例えば、
- 購入金額:100万円
- 売却金額:130万円
- 手数料など:考慮しない
場合、利益は30万円です。
30万円×20.315%=約6万945円
特定口座の源泉徴収ありなら、証券会社が日本の税金を計算して差し引きます。
配当金では米国税が引かれる一方、一般的な売却益では米国税が引かれない点が大きな違いです。
ただし、米国籍、米国居住者、永住権保有者などに該当する場合は扱いが異なる可能性があります。
為替差益にも注意
米国株投資では、株価だけでなく円とドルの為替が関係します。
配当金を米ドルで受け取り、その後円へ交換した場合などは、取引状況によって為替差損益が生じる可能性があります。
証券口座内で米ドルを保有している場合も、
- いつドルを取得したか
- どの為替レートで取得したか
- いつ円へ戻したか
- ドルで別の米国株を購入したか
によって税務上の計算が必要になるケースがあります。
特定口座年間取引報告書ですべての為替差損益が自動計算されるとは限りません。
外貨決済を頻繁に行っている方は、取引履歴を保存しておきましょう。
確定申告した方がよい可能性がある人
次のような人は、外国税額控除や損益通算のために確定申告を検討する価値があります。
- 課税口座で米国株の配当を多く受け取っている
- 米国で引かれた外国所得税が大きい
- 日本で一定額以上の所得税を納めている
- 株式の売却損がある
- 複数の証券会社の利益と損失を通算したい
- 前年以前の株式譲渡損失を繰り越している
- 米国株の配当を継続して受け取っている
- 税理士などに有利・不利を確認できる
外国税額控除は、日本で納めている所得税が少ない場合、限度額も小さくなる可能性があります。
配当金が少額の場合は、戻る税金よりも手続きの負担の方が大きいこともあります。
確定申告を慎重に判断した方がよい人
次のような人は、外国税額控除による還付額だけでなく、ほかの制度への影響も確認しましょう。
- 国民健康保険に加入している
- 配偶者や家族の扶養に入っている
- 保育料や各種給付の所得判定がある
- 住民税非課税の判定に近い
- 配当金が少額である
- NISA口座だけで米国株を保有している
- 日本で納める所得税が少ない
- 総合課税を選ぶと所得税率が上がる
- 確定申告の内容に自信がない
NISA口座だけで米国株を保有している場合、外国税額控除を受けることはできないため、そのためだけに申告する必要はありません。
外国税額控除の簡単な判断手順
外国税額控除を利用するか迷ったら、次の順番で確認しましょう。
ステップ1.口座区分を確認する
- NISA口座
- 特定口座・源泉徴収あり
- 特定口座・源泉徴収なし
- 一般口座
まず、米国株をどの口座で保有しているか確認します。
ステップ2.外国所得税額を確認する
年間取引報告書や配当金の明細で、米国でいくら引かれたかを確認します。
ステップ3.株式の売却損を確認する
配当金と通算できる売却損や、過去から繰り越している損失がないか確認します。
ステップ4.ほかの所得や控除を確認する
給与、副業、年金、医療費控除、ふるさと納税などを確認します。
ステップ5.申告した場合の税額を試算する
国税庁の確定申告書等作成コーナーで入力し、還付額や納付額を確認します。
送信前であれば試算として確認できます。
ステップ6.保険料などへの影響を確認する
国民健康保険料や扶養判定に関係する場合は、市区町村や勤務先へ確認します。
よくある勘違い
特定口座なら外国税も自動的に戻る?
戻りません。
特定口座の源泉徴収ありでは、日本の税金は証券会社が処理してくれます。
しかし、米国で引かれた税金について外国税額控除を受けるには、原則として自分で確定申告をする必要があります。
配当金が20万円以下なら完全に非課税?
非課税ではありません。
証券会社で日本の税金が源泉徴収されている場合は、配当金が20万円以下でも税金が引かれています。
20万円ルールは、一定の給与所得者に所得税の確定申告義務があるかを判断する制度です。
税金そのものがゼロになる制度ではありません。
NISAなら米国の税金もゼロ?
原則としてゼロにはなりません。
NISAで非課税になるのは日本側の税金です。
米国株の配当金については、米国で原則10%が引かれます。
外国税額控除なら米国税が全額返ってくる?
必ず全額返るわけではありません。
日本の所得税額や国外所得の割合から計算した限度額までしか控除できない場合があります。
米国株には日本の配当控除も使える?
外国法人から受け取る配当は、日本の配当控除の対象外です。
米国株の配当で検討するのは、基本的に外国税額控除です。
YouTubeの手順どおりに申告すれば大丈夫?
YouTubeやブログは入力方法を理解する参考になります。
ただし、公開時期が古かったり、投稿者と自分の条件が違ったりすることがあります。
税制や確定申告書の入力画面は変更されることもあるため、最終的には国税庁の公式情報や、その年の確定申告書等作成コーナーを確認しましょう。
初心者におすすめの管理方法
米国株へ投資する場合は、次の記録を保存しておくと確定申告が楽になります。
- 特定口座年間取引報告書
- 配当金の支払通知書
- 外国税額が分かる明細
- 米国株の売買履歴
- 円とドルの交換履歴
- 前年の確定申告書
- 株式の譲渡損失の繰越額
- 証券会社から届いた税務関係書類
電子交付された書類は、証券会社のサイトで保存期間が決まっていることがあります。
後から必要になったときに確認できるよう、毎年PDFなどで保存しておきましょう。
配当金は使うべき?再投資するべき?
配当金を受け取った後、
「生活費として使うか」
「再び株を買うか」
で迷う方もいると思います。
資産形成の途中であれば、配当金を再投資することで、さらに配当を生む資産を増やせる可能性があります。
例えば、受け取った配当金で追加の株式やETFを購入すると、次回以降に受け取る配当金が増える可能性があります。
これを繰り返すことで、
投資元本が配当を生み、
その配当で購入した資産が、さらに配当を生む
という複利の効果が期待できます。
ただし、必ず再投資しなければならないわけではありません。
配当金を、
- 家族との外食
- 趣味
- 旅行
- 日用品
- 生活費の補助
などに使うことで、投資を続ける楽しみにつながる人もいます。
例えば、
- 配当金の80%を再投資
- 配当金の20%を自由に使う
というルールを決める方法もあります。
生活防衛資金が不足している場合は、配当金を無理に再投資せず、現金として確保することも選択肢です。
まとめ|米国株の配当は確定申告で税負担を軽くできる場合がある
米国株の配当金は、一般的に米国と日本の両方で税金が差し引かれます。
課税口座の場合は、
- 米国で原則10%
- 米国税控除後の金額に日本で20.315%
が課税されます。
1万円の配当金なら、手取りは約7,172円が目安です。
特定口座の源泉徴収ありを利用している場合、日本の税金は証券会社が処理するため、原則として確定申告をしない選択ができます。
しかし、米国で引かれた税金について外国税額控除を利用する場合は、確定申告が必要です。
外国税額控除の重要なポイントは、次のとおりです。
- 米国で納めた税金を日本の所得税などから控除できる可能性がある
- 利用するには原則として確定申告が必要
- 控除できる金額には限度額がある
- 米国で引かれた税金が必ず全額戻るわけではない
- 外国法人の配当は日本の配当控除の対象外
- NISA口座では外国税額控除を利用できない
- 申告によって保険料や扶養判定へ影響する場合がある
- 株式の譲渡損失と配当を通算できる場合がある
また、「利益が20万円以下なら申告不要」という話にも注意が必要です。
20万円ルールは、一定の給与所得者について所得税の確定申告が不要になるかを判断するルールです。
配当金が非課税になる制度ではありません。
特定口座の源泉徴収あり、NISA、一般口座では、それぞれ税金の扱いが異なります。

米国株の配当金は、米国と日本の両方で税金が引かれていたんだね。
確定申告をすれば必ず全額戻るわけではないけれど、外国税額控除を使える可能性があるんだ!

そのとおり。
でも、税金だけでなく、国民健康保険料や扶養、各種給付への影響も確認してから申告しよう。
NISAでは日本の税金は非課税だけど、米国の税金は残る点も覚えておいてね♪
米国株の配当金が少額であれば、無理に確定申告をする必要はないかもしれません。
一方で、配当金が増えて米国で引かれる税金が大きくなってきたら、一度外国税額控除を試算する価値があります。
まずは証券会社から発行される年間取引報告書を確認し、
- 米国でいくら税金が引かれたのか
- 日本でいくら税金が引かれたのか
- 株式の売却損がないか
- NISA口座か課税口座か
を整理してみましょう。
確定申告を行う際は、その年の国税庁の情報を確認し、不明な点がある場合は税務署や税理士へ相談してください。
税金の仕組みを正しく理解しながら、無理のない範囲で米国株投資を続けていきましょう。
それでは、またー♪♪




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