1. さい帯とさい帯血とは?
**さい帯(臍帯)**は、妊娠中に赤ちゃんと母体をつなぐ「
- 酸素や栄養を赤ちゃんに運ぶ
- 老廃物や二酸化炭素を母体に戻す
- 外側はワルトン膠質というゼリー状の物質で血管を保護
出産後は役目を終えますが、
さい帯血には造血幹細胞が豊富に含まれており、
2. さい帯血の利用例
現在の主な治療
- 白血病(急性・慢性)
- 再生不良性貧血
- 骨髄異形成症候群
- 先天性免疫不全症
- 代謝異常症
過去の実績
- 1988年(世界初) フランスでファンコニ貧血の少年に妹のさい帯血を移植 → 骨髄機能が回復
- 1997年(日本初) 急性リンパ性白血病の小児に公的バンクのさい帯血を移植 → 完全寛解
研究中の分野
- 脳性まひ
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- 糖尿病や心疾患の再生治療
- 脳梗塞後の機能回復
3. 保存方法と選択肢
項目 | 公的バンク | 民間バンク |
目的 | 不特定多数の患者に提供 | 自分や家族のため |
費用 | 無料 | 契約料15〜20万円+年間1〜2万円 |
利用対象 | 他人(適合者) | 自分や家族 |
保存期間 | 数年程度 | 10〜20年以上 |
採取条件 | 提携病院のみ | 契約すれば対応可 |
選び方の目安
- 「人命救助に貢献したい」→ 公的バンク
- 「家族の将来のため備えたい」→ 民間バンク
4. 採血の安全性
さい帯血の採取は赤ちゃんの誕生後、
- 母子への痛みなし
- 血液が減る心配なし
- 出産直後に母体の出血が多い場合は中止することもあり
まれに採取できないこともありますが、
5. まとめ
さい帯血は、骨髄移植に匹敵する医療資源であり、
採取は安全で、保存方法も公的・民間と選べます。
出産予定がある方は、
ポイント
- 公的は「社会貢献」、民間は「家族の保険」
- 採取は無痛・安全
- 現在の利用は血液疾患が中心、今後は再生医療にも期待
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