エムポックスとは?グレード1から学ぶ正しい知識とコロナとの比較【初心者向け解説】

話題

2022年、世界はコロナ禍の最中に新たな感染症の流行を経験しました。それが**エムポックス(Mpox、旧名:サル痘)**です。

名前の響きから「サルの病気?」「コロナのようにまた大流行するの?」と不安を感じた人も少なくありません。

この記事では、初心者でも理解できるように、

  • エムポックスの基礎知識
  • グレード分類(特にグレード1=軽症)
  • 日常生活での注意点
  • 海外での流行事例
  • 日本国内の発生状況と対応
  • ワクチンや治療薬の有無
  • コロナとの違いと共通点

をわかりやすくまとめます。

第1章 エムポックスとは何か?

1-1. 起源と歴史

エムポックスは1958年、研究用サルから発見され「サル痘」と呼ばれました。しかし、実際の宿主はサルではなく**げっ歯類(リスやネズミ)**と考えられています。

人での最初の発症例は1970年、コンゴ民主共和国でした。以来、アフリカの中西部や西部で散発的に流行が見られました。

1-2. 症状の特徴

  • 潜伏期間:5~21日(平均7~14日)
  • 初期症状:発熱、頭痛、倦怠感、リンパ節の腫れ
  • 数日後に発疹(水ぶくれ→膿疱→かさぶた)
  • 数週間で自然に治癒するケースが多い

天然痘と似ていますが、リンパ節が腫れる点が重要な違いです。

第2章 グレード分類と「グレード1」の意味

医学では重症度を「グレード」で表します。エムポックスもこの分類が当てはまります。

  • グレード1(軽度):症状は軽く、日常生活に支障がほぼない。自然に治ることが多い。
  • グレード2(中等度):発疹や痛みが強く、外来治療が必要。
  • グレード3(重度):入院が必要な状態。発疹が広範囲に広がり二次感染の危険も。
  • グレード4(重篤):生命を脅かす。肺炎・脳炎・敗血症など。

つまり、グレード1は「軽症」だが、人にうつす力がある点に注意が必要です。

第3章 グレード1の生活上の注意点

3-1. 外出・出勤

  • 発疹がかさぶたになり落ちるまで外出・出勤は控える
  • 感染力は発疹がある間ずっと続く

3-2. 家庭内での過ごし方

  • 個室で生活する
  • タオルや寝具を共用しない
  • トイレは可能なら別を使用

3-3. 接触と感染対策

  • 肌の接触を避ける
  • 性的接触も含め、濃厚な接触は感染リスクが高い
  • マスク、手洗い、アルコール消毒を徹底

3-4. 体調管理

  • 水分補給、十分な睡眠
  • 発疹に触らない
  • 医師の診断を定期的に受ける

第4章 海外での流行事例

4-1. ヨーロッパ

2022年春、スペイン・イギリスで大規模流行。

フェスやパーティーを通じて感染が広がり、特に都市部で急増しました。

4-2. アメリカ

2022年夏には世界最多の感染者数を記録。

米国CDCは天然痘ワクチンを活用し、大規模接種キャンペーンを展開。

4-3. その後

大流行は収束したものの、一部地域では再び感染が増えています。

第5章 日本国内の発生状況

  • 2022年7月、日本でも最初の輸入例が報告。
  • 主に海外からの帰国者で見つかり、国内での大規模感染は今のところ確認されていません。
  • 厚生労働省は「発疹や発熱が出た場合、早めに医療機関へ」と注意喚起しています。

第6章 予防と治療

6-1. ワクチン

  • 天然痘ワクチン(イムバネックスなど)がエムポックスにも有効
  • 日本では一部の医療従事者や濃厚接触者に接種が行われています

6-2. 治療薬

  • 特効薬はありませんが、抗ウイルス薬 テコビリマット(Tecovirimat) が使われる場合あり
  • それ以外は対症療法(発熱、かゆみ、二次感染予防)

第7章 コロナとエムポックスの違いと共通点

7-1. 感染経路

  • コロナ:飛沫・エアロゾル・接触
  • エムポックス:接触(皮膚・体液・寝具)、濃厚な飛沫

7-2. 症状

  • コロナ:発熱、咳、呼吸器症状
  • エムポックス:発熱+発疹+リンパ節腫れ

7-3. 併発

  • 実際に同時感染例あり(イタリアではコロナ+エムポックス+HIVの三重感染例も)
  • 免疫力が弱い人は重症化リスクが高まる

第8章 初心者が覚えておきたいまとめ

  • エムポックスは天然痘に似た感染症
  • グレード1(軽症)でも人にうつすので注意
  • 海外では大規模流行が起きた
  • 日本では輸入例が中心だが油断はできない
  • ワクチン・治療薬は一部で利用可能
  • コロナと同時感染の可能性もある

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