1章:破水とは何か?基本からやさしく解説
破水とは、赤ちゃんを包んでいる「卵膜(らんまく)」が破れ、
妊娠中、赤ちゃんは羊水の中でプカプカ過ごしています。
この羊水の「袋」が破れた状態が破水です。
破水は出産のサインの一つであり、
しかし、陣痛より前に破水するケースもあります(前期破水)。
羊水は尿とは違い、
自分の意思で止めることはできません。
これが破水の大きな特徴です。
2章:破水はなぜ起きる?そのメカニズム
破水は決して「偶然破れる」というものではなく、
◆① 子宮の収縮による圧力で卵膜が破れる
陣痛が始まると、子宮は強く収縮します。
この収縮の圧力が卵膜にかかり、一定の力が加わると破れます。
イメージは…
水が入った風船をギュッと押し続けると限界を超えてパーンと破れ
そんな感じです。
◆② 妊娠後期で卵膜が自然に薄くなるため
臨月に近づくにつれて、卵膜は薄く柔らかくなります。
これは出産に向けた自然な変化です。
薄くなった部分に力が加わることで破水が起きます。
◆③ 赤ちゃんの頭が骨盤に固定されるため
出産が近づくと、赤ちゃんの頭が骨盤に下がります。
この頭の圧力が卵膜にかかり、破れやすくなります。
特に「頭が大きめの赤ちゃん」
◆④ 前期破水(陣痛より先に破水)が起きる理由
前期破水は妊婦さんの 10〜20% に起こります。
原因はさまざま:
- 卵膜が弱くなっている
- ちょっとした刺激(くしゃみ・咳など)
- 赤ちゃんの位置
- 感染による卵膜の脆弱化
- 子宮の圧力の変化
陣痛より先に破れることは珍しくありません。
3章:破水の種類
破水には4つの種類があります。
◆① 適時破水(もっとも一般的)
陣痛中に破水するタイプです。
「パンッ!」と弾ける感覚で一気に羊水が流れます。
◆② 前期破水(陣痛前)
陣痛が始まる前に破水するケース。
前期破水は感染リスクがあるため、すぐに病院に連絡が必要です。
◆③ 高位破水(チョロチョロタイプ)
卵膜の上のほうに小さな穴が開くタイプで、
尿漏れと間違えやすいのが特徴です。
羊水が少量ずつ出るため気づけないこともあります。
◆④ 早期破水
子宮口がほとんど開いていない段階で破水すること。
医療管理が必要なケースもあります。
4章:尿漏れと破水の見分け方
妊娠後期になると、
破水か尿漏れか判断できず不安になる人は多いです。
以下の特徴で見分けます。
【破水の特徴】
- 自分の意思で止まらない
- 温かい透明の液体
- 少量でも出続ける
- 臭いが少なく、やや“甘い匂い”がある場合も
- ナプキンがすぐに湿る
【尿漏れの特徴】
- 力を入れたり笑ったりしたときに出る
- 少量で止まる
- 黄色っぽい
- 尿の匂いがする
- ナプキンで吸い取れば止まる
【判断に迷ったら?】
迷ったら 必ず産院へ連絡 です。
破水の可能性がある場合は、
病院で「羊水かどうか」を判定する専用の診断キットがあります。
5章:破水の前兆やサイン
破水は突然起こることもありますが、
◆ 前兆① おりものが増える
臨月に近づくとおりもの量が増えますが、
「水っぽく」感じるようになると破水の可能性。
◆ 前兆② 下腹部の違和感
赤ちゃんの頭が下がってくると骨盤に圧迫感がでます。
◆ 前兆③ 子宮の張りが増える
「張り」と「陣痛」の境界。
張りの回数が増え、規則的になると破水の可能性が高まります。
6章:破水したときの「感覚」
破水の感覚は人によって異なりますが、
◆ ① お腹の中で「パンッ!」とはじける感じ
風船が割れるようなイメージ。
◆ ② 温かい水がドバッと出る
大量に出ることもあります。
◆ ③ チョロチョロと静かに流れ続ける(高位破水)
「尿漏れかな?」程度の量が続くパターン。
◆ ④ 自分で止められない
尿漏れとは違い「止められない」のが最大の違いです。
7章:破水したら何をすべき?完全ガイド
破水=病院へ即連絡です。
◆① まずは落ち着く
焦らなくて大丈夫です。
破水は多くの妊婦さんが経験します。
◆② ナプキン(できれば夜用)を当てる
大量に流れた場合でも、タオルか大きめナプキンで対応できます。
◆③ 陣痛がなくても病院に必ず連絡
破水後は時間が経つほど感染リスクが上がります。
◆④ シャワー・入浴はNG
細菌が入るリスクがあるため、
◆⑤ 車で移動するときはバスタオルを敷く
羊水が流れ続けても大丈夫なように準備を。
◆⑥ 破水後の性交渉は絶対NG
感染リスクが極端に高まります。
8章:破水した後の赤ちゃんのリスクとは?
破水そのものは異常ではありませんが、
時間が経つと赤ちゃんが細菌にさらされる危険があります。
① 感染症(絨毛膜羊膜炎)
卵膜の感染が広がると、母体・胎児の両方に影響します。
② 臍帯脱出(へその緒が出てしまう)
ごく稀ですが、緊急帝王切開が必要な場合があります。
③ 羊水が減少する
羊水が極端に減ると赤ちゃんの動きに制限が出ます。
9章:初産と経産婦の違い
初産婦さんと経産婦さんで破水のタイミングは違うことがあります
◆ 初産
陣痛後に破水するケースが多い。
◆ 経産婦
前期破水(陣痛前に破水)が比較的多い。
出産がスピーディーに進む傾向。
10章:パートナーができること
破水は妊婦さんだけの問題ではなく、家族の協力も重要です。
◆① 病院への連絡を代わりにする
慌てないよう、パートナーが電話するのもOK。
◆② 移動手段の準備
車のシートにタオルを敷くなど。
◆③ 荷物を持つ・サポートする
入院バッグ、母子手帳、保険証などを用意。
11章:よくある質問(Q&A)
Q1:破水は止められる?
→ いいえ、止めることはできません。
Q2:夜中に破水した場合どうする?
→ 時間に関係なく病院に連絡。
Q3:破水したら病院に走って向かう?
→ まずは連絡し、病院の指示に従う。
Q4:家で自然に待ってもいい?
→ 感染の危険があるため必ず連絡。
12章:まとめ
破水は妊婦さんにとって大きなイベントですが、
正しい知識があれば恐れる必要はありません。
ポイントは以下:
- 破水=羊水が流れる状態
- 自分では止められない
- 陣痛より前に起きる人も多い
- 尿漏れと迷ったら病院に連絡
- 破水したら入浴はNG
- 移動前に必ず産院へ連絡
- 感染リスクがあるので急ぎ対応が必要
安心してお産に向かえるように、この記事が役に立てば幸いです。




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