「台湾有事が起きたら日本はどうなる？」
〜地理・軍事・経済・生活・社会まで“日本への影響”
【第3回のテーマ】
第2回までで
•台湾と中国の現在地
•アメリカ・日本の役割
•台湾がどれだけ世界に重要か
を解説しました。
第3回はシリーズ最大の核心 である
「もし台湾有事が起きた場合の “日本の未来”」
を徹底的に噛み砕きます。
第1章：なぜ“台湾有事＝日本有事”とされるのか？
岸田政権も、防衛省も、多くの専門家も
口を揃えてこう言います。
✔ 台湾有事は、日本有事
✔ 日本だけの問題ではなく“共同危機”
なぜここまで言い切られるのか？
理由は極めてシンプルです。
⸻
◆ 理由① 台湾と日本は地理的に“隣”
台湾と最も近い日本領土は 与那国島（よなぐに）。
距離はわずか 110km。
110kmというと
大阪〜姫路、東京〜熱海くらいです。
つまり、
台湾で軍事行動があれば、音や影響が直接届く距離
⸻
◆ 理由② 米軍基地の大半が沖縄にあり、日本が後方支援地になる
アメリカは台湾防衛をほぼ明言しています。
その際の拠点は、当然ながら 沖縄。
沖縄には
・嘉手納
・普天間
・那覇
・ホワイトビーチ
など大規模基地が集中。
台湾有事では、
沖縄基地が最前線の出撃拠点になる
可能性が高い。
つまり日本は完全に巻き込まれる。
⸻
◆ 理由③ 日本の動き次第でアメリカの作戦が成り立たない
アメリカは台湾有事で日本の協力を必ず求めます。
•基地の提供
•燃料・物資の補給
•日本海・東シナ海の航行
•情報共有
•自衛隊との共同作戦
日本が後方基地になれないと、
アメリカは台湾を守る作戦が成立しません。
⸻
◆ 理由④ 日本自身が中国と領土問題を抱えている
尖閣諸島は日本の行政管理下ですが、
中国はここを“自国領”と主張。
台湾周辺で戦争になれば
尖閣が連動して同時に危険にさらされる可能性 が高い。
⸻
第2章：台湾有事が発生したら「日本で最初に起きること」
戦争が始まる＝ミサイルが飛ぶ…ではありません。
専門家が一致して言うのは、
最初に起きるのは サイバー攻撃と情報混乱 です。
⸻
◆ ① 日本のサーバー・銀行・交通・通信が攻撃される
中国のサイバー部隊は世界最大規模。
台湾有事となれば
日本も同時に攻撃される可能性が高い。
攻撃対象になりやすいもの：
•政府機関サイト
•主要メガバンク
•交通機関（JR・航空会社）
•電力会社
•通信企業（ドコモ・KDDIなど）
•メディア
•大型ECサイト
目的は
混乱を生み、日本の判断を遅らせること。
⸻
◆ ② フェイクニュース・心理戦が流れる
SNSやメディアに
“日本政府は何もしない”
“米軍が撤退した”
“台湾が降伏した”
などの偽情報が大量に流れる。
これはロシアがウクライナで実際に行った手法。
⸻
◆ ③ 米軍機の離着陸が急増する
沖縄の米軍基地は一気に“作戦モード”になります。
•戦闘機
•偵察機
•給油機
•早期警戒機
嘉手納基地は24時間フル稼働の可能性。
沖縄や九州南部では、
爆音や航空機の増加が日常になる。
⸻
◆ ④ 自衛隊が“防衛出動に近い状態”へ
台湾有事＝日本の周辺事態なので、
自衛隊はすぐに警戒態勢を最大強化。
•PAC3の配備
•イージス艦の展開
•無人機監視の拡大
•弾薬補充
•海上輸送路の保護
“いつ攻撃されてもおかしくない状態”になります。
⸻
第3章：中国が日本へ直接攻撃する可能性はどれくらい？
結論：
✔ 日本本土への大規模攻撃の可能性は低い
✔ しかし“限定的攻撃”の可能性はある
です。
⸻
◆ 大規模攻撃が低い理由
•日本を攻撃した瞬間、米国が全面参戦
•中国にとってリスクが巨大
•中国自身の経済が崩壊
•国際世論が完全に中国敵視へ
中国が最も避けたいパターン。
⸻
◆ 限定的な攻撃の可能性
しかし、以下の可能性は十分あると分析されています。
•日本のレーダー施設への妨害
•米軍基地への“小規模”攻撃
•日本の補給路を断つ攻撃
•自衛隊艦艇への威嚇攻撃
特に危険なのは
ミサイルによる“警告射撃”。
台湾の周辺に撃つミサイルが日本EEZに落ちるケースは
すでに2022年に発生しています。
⸻
第4章：台湾有事が日本の“生活”に与える影響
ここが一般の人にとって最重要です。
戦争が始まると、日本の生活は一気に変わります。
⸻
◆ ① ガソリン・電気代が急上昇
台湾周辺が航行不能になると、
•石油タンカーが通れない
•LNG船も止まる
日本のエネルギーは 90％以上海上輸送 なので、
✔ ガソリン
✔ 電気
✔ ガス
すべて値上げの可能性。
停電リスクも現実的に上がる。
⸻
◆ ② 半導体不足で家電・車・スマホが一斉に値上げ
台湾TSMCが止まれば世界中が半導体不足。
過去の比ではなく
本格的な供給危機になる。
影響は：
•スマホ価格が上昇
•新車が作れない
•PC・家電の供給が激減
•企業の生産ライン停止
日本の製造業全体がダメージを受ける。
⸻
◆ ③ 食品価格の高騰
台湾は漁業地域としても重要。
また物流の混乱は
日本の食品輸入にも波及。
⸻
◆ ④ 株価の暴落→円急騰 or 円暴落
どちらにも振れる可能性がある。
•有事ショックで株式大きく下落
•国際資金が安全資産の円に流れて円高
•逆に日本が巻き込まれれば円売りで円安
どちらも想定され、
金融市場は大混乱になる。
⸻
第5章：台湾有事で“最も危険なのは沖縄”
沖縄は地理的に
台湾と中国の間の“前線”にあるため、
影響が最大級。
⸻
◆ ① 沖縄の米軍基地が最重要拠点になる
当然ながら、
攻撃対象にもなりやすい。
⸻
◆ ② 住民避難が最も難しい地域
島であるため、
避難ルートが限られている。
•飛行機 → 空港攻撃の可能性
•船 → 海上封鎖の可能性
避難は現実的に困難。
⸻
◆ ③ 自衛隊基地も増強されている
石垣・宮古・与那国など、
南西諸島の防備は年々強化中。
これは台湾有事に備えた配置。
⸻
第6章：日本政府は台湾有事をどこまで想定しているのか
日本政府は
近年、台湾有事を極めて現実的なシナリオと見ています。
⸻
◆ ① 防衛力の倍増（2023〜2027）
日本は防衛予算を5年で倍増。
目的は明らかに“台湾有事対応”。
⸻
◆ ② 自衛隊と米軍の一体化が進む
共同訓練・情報共有・基地の連携など
一体運用が加速。
⸻
◆ ③ 南西諸島への装備配備
PAC3・ミサイル部隊・監視部隊など
台湾有事を睨んだ戦力増強。
⸻
第7章：台湾有事の“未来シナリオ”3パターン
専門家が最も語る3つの未来を整理します。
⸻
◆ シナリオ①：海上封鎖（最も現実的）
中国が台湾を包囲し、物資を止める。
戦争ではないが実質的な“経済封鎖”。
•日本も物流が止まる
•米軍と中国のにらみ合い
•長期化すれば台湾は危機に
⸻
◆ シナリオ②：限定的ミサイル攻撃
中国が台湾の軍事施設を狙い攻撃。
日本EEZにも着弾する可能性がある。
⸻
◆ シナリオ③：全面侵攻（可能性は低い）
最も危険なシナリオ。
中国にとってリスクが巨大なため
発生確率は低いとされている。
⸻
第8章：まとめ（第3回の要点）
•台湾有事は日本と切り離せない
•最初に起こるのはサイバー攻撃と情報戦
•アメリカは沖縄基地から動き、日本は後方支援地に
•日本は直接攻撃を受ける可能性は低いがゼロではない
•生活への影響は「価格高騰・物資不足・半導体危機」
•最も危険なのは台湾に近い沖縄
•日本政府はすでに台湾有事を想定した体制を準備中
コメント