外国人が増えると日本の犯罪も増える?行方不明者との関係も最新統計から検証

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日本で暮らす外国人や訪日外国人が増えるなか、「外国人が増えたことで犯罪も増えているのではないか」「行方不明者の増加とも関係しているのではないか」と不安を感じる人がいます。実際、外国人による刑法犯の検挙件数は増えています。しかし、数字を正しく理解するには、「外国人の人数が増えた影響」「一部の犯罪グループによる連続窃盗の影響」「検挙人数と検挙件数の違い」を分けて考えなければなりません。今回は警察庁と出入国在留管理庁の最新資料を基に、外国人増加と犯罪数、さらに行方不明者数との関係を初心者にも分かるように検証します。

外国人の検挙件数は実際に増えている

警察庁によると、外国人による刑法犯の検挙件数は2021年の1万4,050件から、2025年には2万2,917件へ増加しました。4年間で8,867件、約63%の増加です。同じ期間の日本人の検挙件数は25万435件から27万8,138件へ約11%増えています。

年 日本人の検挙件数 外国人の検挙件数 外国人割合
2021年 25万435件 1万4,050件 5.3%
2022年 23万7,403件 1万2,947件 5.2%
2023年 25万4,009件 1万5,541件 5.8%
2024年 26万8,412件 1万8,861件 6.6%
2025年 27万8,138件 2万2,917件 7.6%

2025年の事件数全体では、日本人が約92.4%、外国人が約7.6%です。絶対数では日本人の事件が圧倒的に多い一方、外国人事件の増加率が大きいことは事実です。ただし、これは外国人全体が急に犯罪を起こすようになったという意味ではありません。警察庁「令和7年の刑法犯に関する統計資料」

日本にいる外国人自体が大きく増えている

最初に考える必要があるのが、外国人の母数の増加です。日本の在留外国人数は2021年末の約276万人から、2025年末には412万5,395人へ増えました。約4年間で約137万人、率にして約49%の増加です。2025年だけでも前年より9.5%増え、初めて400万人を超えました。

また、2025年の外国人入国者数は約4,243万人で、前年より約565万人増えました。日本で生活する人や訪れる人が増えれば、その圧倒的大多数が犯罪と無関係であっても、集団全体の検挙人数がある程度増えることは自然です。出入国在留管理庁「2025年末の在留外国人数」

ここで注目したいのは、2021年から2025年にかけて、在留外国人数が約49%増えたのに対して、外国人の検挙人員は9,404人から1万1,354人へ約21%増だったことです。在留外国人数の増加率より検挙人員の増加率は低いため、「外国人の人数以上の勢いで、外国人全体が犯罪を起こすようになった」とは言えません。

一方で、外国人の検挙件数は約63%増えています。検挙された人数の増加よりも事件数の増加が大きいため、人口増加だけでは説明できない部分があります。そこで注目されるのが、一部の人物やグループによる連続犯罪です。

検挙人員と検挙件数は違う

警察統計の「検挙人員」は検挙された人数、「検挙件数」は警察が検挙・解決した事件の数です。例えば、6人のグループが50店舗で万引きを繰り返した場合、検挙人員は6人ですが、検挙件数は50件前後になる可能性があります。逮捕後の捜査で別の店舗における余罪が判明すれば、その事件も件数に加えられます。

2024年から2025年にかけて、外国人の検挙人員は1万464人から1万1,354人へ890人、約8.5%増えました。ところが検挙件数は1万8,861件から2万2,917件へ4,056件、約21.5%増えています。人数以上に事件数が増えているため、一部の人物やグループが多数の事件を繰り返した影響が大きいと考えられます。

増加の中心は殺人ではなく窃盗

来日外国人の刑法犯検挙件数は、2024年の1万3,405件から2025年には1万7,614件へ4,209件増えました。このうち窃盗犯の増加が3,123件を占めています。増加分の約74%が窃盗ということです。

来日外国人の犯罪 2024年 2025年 増減
刑法犯全体 1万3,405件 1万7,614件 +4,209件
窃盗犯 9,103件 1万2,226件 +3,123件
うち万引き 2,252件 3,181件 +929件
凶悪犯 260件 295件 +35件
うち殺人 60件 55件 -5件
うち強盗 81件 96件 +15件

この数字から分かるのは、外国人犯罪の増加を「殺人などの凶悪事件が急増した」と理解するのは正確ではないということです。増加の中心は、万引き、侵入窃盗、自動車盗、金属盗などの財産犯罪です。

組織的な窃盗が数字を押し上げている

警察庁によると、2025年の来日外国人による刑法犯検挙件数のうち、共犯事件の割合は45.3%でした。日本人は11.5%であるため、来日外国人の共犯率は日本人の約3.9倍です。万引きに限ると、来日外国人の共犯率は31.8%、日本人は3.6%となっています。警察庁「組織犯罪対策」

警察が確認した事例には、海外の指示役がSNSを使って日本国内の実行役に盗む商品を指示し、実行役、見張り役、運搬役、海外発送役などに役割を分けるものがあります。化粧品、医薬品、衣料品、自動車、銅線など換金しやすい商品が狙われ、盗品が海外へ送られるケースもあります。

警察庁も、組織的な金属盗、自動車盗、万引きと盗品流通が、一部の不法滞在外国人や匿名・流動型犯罪グループの資金源になっていると指摘しています。警察庁「令和7年の犯罪情勢」

コロナ禍後の反動もある

2020年から2022年ごろまでは、新型コロナによる入国制限で外国人の往来が大幅に減少しました。来日外国人の刑法犯検挙件数も、2022年には8,548件まで減っていました。その後、観光客、留学生、技能実習生、特定技能外国人などの入国が回復し、2023年は1万40件、2024年は1万3,405件、2025年は1万7,614件へ増えています。

近年の増加には、コロナ禍で一時的に少なくなっていた数字が元へ戻る反動も含まれます。ただし、現在の件数はコロナ前を上回っているため、すべてを反動だけで説明することもできません。

外国人が増えたことで犯罪も増えたのか

外国人の人数が増えたことと、外国人の検挙数が増えたことには一定の関係があると考えられます。日本国内で活動する外国人が増えれば、その中から検挙される人の絶対数も増えるからです。しかし「外国人が増えたから犯罪が増えた」とだけ結論づけるのは不十分です。

現在の数字から考えられる構造は、次の通りです。

外国人住民や入国者が増加する
↓
日本国内で活動する人数が増える
↓
検挙人員も一定程度増える
↓
その中の一部が組織的・連続的な窃盗を繰り返す
↓
人数の増加以上に検挙件数が増える

つまり、外国人の母数の増加が土台にあり、その上に一部のグループによる多数の窃盗事件が重なったと見るのが妥当です。

行方不明者は年々増えているのか

外国人や犯罪の増加に関連して、「日本の行方不明者も増えているのではないか」と心配する声があります。しかし、警察庁の統計では、行方不明者届の受理数が毎年増え続けているわけではありません。

年 行方不明者届の受理数
2016年 84,850人
2017年 84,850人
2018年 87,962人
2019年 86,933人
2020年 77,022人
2021年 79,218人
2022年 84,910人
2023年 90,144人
2024年 82,563人
2025年 80,486人

2023年の9万144人が直近のピークで、2024年は8万2,563人、2025年は8万486人と2年連続で減少しています。警察庁「令和7年における行方不明者届受理等の状況」

人口割合で見ても行方不明者は減少

日本では総人口も減少しているため、人数だけでなく人口に対する割合を見ることが重要です。

年 総人口 行方不明者届 人口10万人当たり
2021年 約1億2,550万人 79,218人 約63.1人
2022年 約1億2,495万人 84,910人 約68.0人
2023年 約1億2,435万人 90,144人 約72.5人
2024年 約1億2,380万人 82,563人 約66.7人
2025年 約1億2,322万人 80,486人 約65.3人

2025年は人口10万人当たり約65人、単純計算では約1,530人に1人について行方不明者届が出された計算です。人口減少を考慮しても、2023年をピークに2024年と2025年は低下しています。総務省統計局「人口推計」

ただし、この人口は外国人を含む日本の総人口です。また、行方不明者8万486人にも外国人が含まれています。そのため、この数字は「日本人だけの行方不明率」ではありません。

約8万人が消えたままという意味ではない

行方不明者届が年間約8万件あると聞くと、「毎年8万人が見つからないままになっている」と感じるかもしれません。しかし、これは誤解です。2025年中に所在確認、死亡確認、届出取下げなどで処理された人数は8万1,843人でした。前年以前に届け出られた人も含まれるため、その年の届出数とは単純比較できませんが、多くは比較的早い段階で発見されています。

2025年に所在が確認された人のうち、3万3,322人は届出当日、2万180人は2~3日以内に発見されました。行方不明の原因には認知症や病気、家庭関係、仕事関係、学校関係、家出、自殺のおそれなどが含まれます。誘拐や殺人などの犯罪被害者だけを数えた数字ではありません。

認知症による行方不明が多い

2025年に認知症が原因または要因となった行方不明者は1万7,345人で、全体の約21.6%を占めます。認知症による行方不明者は2016年の1万5,432人から2023年には1万9,039人まで増えましたが、2024年は1万8,121人、2025年は1万7,345人と2年連続で減少しています。

認知症による行方不明者については、2025年中に所在・死亡確認された人の約95%が届出から3日以内に確認されています。一方、発見が遅れるほど死亡確認の割合が高くなるため、GPS機器や見守りサービス、地域での情報共有が重要です。

国籍別の行方不明者数は公表されていない

ここで大きな問題になるのが、警察庁の年次資料では行方不明者を「日本人・外国人」に分けた人数が公表されていないことです。したがって、日本人だけの行方不明者数、外国人だけの行方不明者数、それぞれの人口に対する割合は正確に計算できません。

警察庁の規則では、行方不明者について「本籍または国籍」を警察庁の情報管理システムへ登録することになっています。つまり、警察側には国籍を集計するための基礎情報があると考えられます。警察庁「行方不明者発見活動に関する細則」

それでも国籍別集計を公表していない理由について、警察庁が明確に説明した資料は確認できません。行方不明者統計の目的が犯罪分析よりも捜索・早期発見にあり、年齢、性別、原因、認知症の有無、発見までの期間などを優先していることが考えられます。また、外国人には永住者、留学生、技能実習生、観光客などが含まれ、人口比の分母をそろえにくい事情もあります。

公表されていない以上、増えている可能性はあるのか

日本全体の行方不明者数は直近2年間で減っています。しかし、日本人と外国人を合算した数字なので、内訳については次のいずれも数学上は考えられます。

  • 日本人も外国人も減っている
  • 日本人は減り、外国人は増えている
  • 外国人は減り、日本人は増えている
  • 一方の増加以上に、もう一方が大きく減っている

そのため、日本人だけ、または外国人だけの行方不明者数が増えている可能性を完全には否定できません。しかし、公表データがない以上、「実際に外国人の行方不明者が増えている」「外国人犯罪によって日本人の行方不明者が増えた」と判断する証拠もありません。

正確な結論は、「可能性はあるが、増えていると考える根拠は不足している」となります。

なぜ国籍別に公表した方がよいのか

警察が国籍情報を保有しているのであれば、個人を特定できない全国単位の統計として、次の数字は公表する価値があります。

公表してほしい項目 分かること
日本人・外国人別の届出数 どちらが増減しているか
それぞれの人口10万人当たりの数 人口増加・減少を考慮した比較
原因・動機別 認知症、家庭、仕事、犯罪被害などの違い
発見・死亡・長期未発見別 発見率や長期化の違い
在留外国人・短期滞在者別 分子と分母をそろえた比較
犯罪被害のおそれがある事案 治安との関係を検証する材料

外国人の増加と行方不明者に関係がなければ、国籍別データの公開によって不要な疑念を解消できます。反対に特定の問題が見つかれば、日本人だけでなく、行方不明になる外国人本人を保護する政策にもつなげられます。公表されない状態が続くほど、根拠のない憶測が広がりやすくなるため、プライバシーに配慮した全国統計の公開が望まれます。

外国人全体を危険視するのは正しくない

2025年末の在留外国人数は約413万人ですが、外国人の刑法犯検挙人員は1万1,354人です。ただし、検挙人員には訪日客なども含まれる一方、在留外国人数には短期滞在者が含まれないため、単純に割って正確な犯罪率を出すことはできません。それでも、日本で暮らす外国人の圧倒的大多数が犯罪とは無関係です。

対策すべきなのは外国人全体ではなく、海外の指示役、組織的な窃盗団、盗品の買い取り・輸出ルート、不法滞在者を利用する犯罪組織、SNSで実行役を募集する人物、外国人を不安定な環境に置く悪質な受け入れ事業者などです。国籍だけで判断すると、本当に取り締まるべき犯罪ネットワークを見失う可能性があります。

今後必要になる対策

外国人の受け入れを増やすのであれば、政府や自治体は人数を増やす政策だけでなく、治安と生活を支える制度も同時に整える必要があります。不法滞在者の把握、悪質な仲介業者や受け入れ企業への監督、外国人が正規に働ける環境、日本の法律や生活ルールの教育、海外の指示役や盗品輸出ルートの捜査、店舗の防犯対策などが必要です。

さらに、犯罪については国籍別の検挙人員・事件数・起訴率・不起訴理由・再犯率、行方不明者については国籍別の届出数・原因・発見率を、個人が特定されない形で公表することが求められます。日本人にも外国人にも同じ法律と基準を適用し、その公平性を国民が数字で確認できる制度が重要です。

まとめ

外国人の増加によって、外国人による犯罪の絶対数が増える面はあります。しかし、近年の検挙件数増加は人口増加だけでは説明できず、増加分の約74%を窃盗が占め、一部の組織的・連続的な犯行が事件数を大きく押し上げています。その一方、殺人は2024年の60件から2025年には55件へ減っており、すべての犯罪が同じように増えているわけではありません。

行方不明者届についても、2023年をピークに直近2年間は減少し、人口比でも低下しています。そのため、外国人犯罪の増加と日本全体の行方不明者数を直接結び付ける動きは確認できません。ただし、警察庁が国籍別の行方不明者数を公表していないため、日本人と外国人それぞれの増減を完全には検証できないという課題が残ります。

「外国人が増えれば必ず治安が悪化する」と断定するのも、「人口が増えただけなので何も問題はない」と片付けるのも適切ではありません。外国人受け入れを続けるのであれば、組織的窃盗、不法滞在、悪質な雇用・仲介、盗品流通への対策を強化し、犯罪や行方不明者に関する統計をより透明に公表する必要があります。感情やイメージだけで判断せず、確認できる数字と、公表されていないため判断できない部分を分けて考えることが大切です。

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