どうも、おはようございます、こんにちは、こんばんは。ミギーです。
最近、ニュースを見ていると、
「長年営業してきた会社が倒産した」
「人気店が突然閉店した」
「黒字だった会社が資金繰りに行き詰まった」
といった話を目にする機会が増えました。
「景気が悪いから倒産が増えているのでは?」
と思うかもしれませんが、現在の企業倒産は、単純に売上が減ったことだけが原因ではありません。
コロナ禍で利用されたゼロゼロ融資の返済、原材料費や電気代の上昇、深刻な人手不足、賃上げ負担、後継者不足など、いくつもの問題が同時に企業を襲っています。
こうした近年特有の倒産は、しばしば**「令和型倒産」**と呼ばれています。
今回は、なぜ企業倒産が増えているのか、ゼロゼロ融資とは何だったのか、そして倒産増加が私たちの暮らしにどのような影響を与えるのかを、初心者にも分かるように解説します。
- 2025年度の企業倒産は1万件を突破
- そもそも「企業倒産」とは何か
- なぜ企業倒産が増えているのか
- 原因① ゼロゼロ融資の返済が重くなっている
- ゼロゼロ融資は失敗だったのか
- 原因② 原材料費・電気代・物流費の上昇
- 原因③ 値上げしたくても価格転嫁できない
- 原因④ 人手不足なのに人件費も上がっている
- 人手不足で倒産する仕組み
- 原因⑤ 賃上げできない企業から人が離れる
- 原因⑥ 経営者の高齢化と後継者不足
- 原因⑦ 税金や社会保険料の支払いが重い
- 「黒字なのに倒産する」とはどういうことか
- 令和型倒産は「複合型」である
- 小売業やスーパーも他人事ではない
- 倒産が増えると私たちの生活はどうなるのか
- 倒産件数が増えても、日本企業すべてが危険なわけではない
- 企業が生き残るために必要なこと
- 働いている会社が危ないときに見られる兆候
- 私たちは企業倒産のニュースをどう見ればよいのか
- まとめ|令和型倒産は複数の問題が重なって起きている
2025年度の企業倒産は1万件を突破
帝国データバンクによると、2025年度の企業倒産件数は1万425件となり、前年度から3.5%増加しました。
倒産件数は4年連続で増加し、2年連続で1万件を超えています。
さらに、サービス業と小売業の倒産件数は、比較可能な2000年度以降で最多となりました。特に負債額5,000万円未満の小規模な倒産が増えており、大企業よりも中小企業や小規模事業者の苦境が目立っています。
東京商工リサーチの集計でも、2025年度の全国企業倒産は1万505件でした。
負債1億円未満の倒産が8,062件に達し、全体の76.7%を占めています。つまり、現在増えているのは、テレビで大きく報道される大企業の倒産よりも、地域の飲食店、小売店、建設会社、運送会社などの小規模倒産なのです。
また、2026年上半期の企業倒産は5,346件となり、前年同期より7.1%増加しました。
2026年6月だけでも倒産件数は1,021件に達しており、倒産増加の流れは、まだ終わったとは言えない状況です。
そもそも「企業倒産」とは何か
企業倒産という言葉には、法律上の一つだけの定義があるわけではありません。
一般的には、会社が借入金、仕入れ代金、従業員の給料などを支払えなくなり、事業を続けることが難しくなった状態を指します。
倒産には、大きく分けて次のような種類があります。
破産
会社の財産を処分し、債権者に分配したうえで会社を清算する手続きです。
事業を終了するケースが多く、一般的に多くの人がイメージする「会社がなくなる倒産」に近いものです。
民事再生
裁判所の監督を受けながら、借金の一部を整理し、事業の再建を目指す手続きです。
会社そのものを残せる可能性があります。
会社更生
主に規模の大きな株式会社が利用する再建手続きです。
経営陣が交代し、裁判所が選任した管財人などのもとで再建を進めます。
特別清算
解散した株式会社が債務超過となっている場合などに、裁判所の関与を受けながら会社を清算する手続きです。
このように「倒産」といっても、会社が完全になくなる場合と、経営を立て直して再出発する場合があります。
なぜ企業倒産が増えているのか
現在の企業倒産は、一つの原因だけで発生するとは限りません。
売上が十分に回復していないところに、借入金の返済、原材料費の上昇、人件費の増加、人手不足などが重なり、資金繰りが限界に達するケースが増えています。
原因① ゼロゼロ融資の返済が重くなっている
近年の倒産増加を考えるうえで外せないのが、ゼロゼロ融資です。
ゼロゼロ融資とは、新型コロナウイルスの影響で売上が減少した企業や個人事業主を支援するために実施された、実質無利子・無担保の融資制度の通称です。
コロナ禍では、飲食店、宿泊業、小売業、観光業など、多くの事業者が急激な売上減少に直面しました。
しかし、店舗を休業しても、次のような費用は発生します。
- 店舗や事務所の家賃
- 従業員の給料
- 水道光熱費
- リース代
- 社会保険料
- 仕入れ代金
- 既存の借入金返済
そこで、企業が当面の資金を確保できるように、無利子・無担保に近い条件で資金が供給されました。
ゼロゼロ融資によって、すぐに倒産せずに済んだ会社は少なくありません。一方で、これは補助金ではなく、あくまでも返済が必要な借金です。
コロナ禍が収束に向かえば、売上が回復し、その利益から返済できるという想定でした。しかし、すべての企業がコロナ前の売上を取り戻したわけではありません。
売上が戻らないまま、「毎月の通常経費+ゼロゼロ融資の返済」を負担することになり、資金繰りが厳しくなった会社が出ています。
東京商工リサーチによると、2025年度のゼロゼロ融資利用後の倒産は410件でした。
また、ゼロゼロ融資などを借り換えた企業については、2026年4月から9月にかけて返済開始の最後のピークを迎えるとされています。業績回復が遅れている企業では、今後も返済負担が倒産の引き金になる可能性があります。
2026年2月までに確認されたゼロゼロ融資利用後の倒産は、2020年7月以降の累計で2,280件に達しました。
原材料費、エネルギー費、人件費などの上昇によって、返済に回す利益を確保できない企業も少なくないと指摘されています。
ゼロゼロ融資は失敗だったのか
ここで、「返済できずに倒産するなら、ゼロゼロ融資は失敗だったのでは?」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、ゼロゼロ融資そのものが間違っていたとは一概に言えません。当時は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、企業努力だけでは防げない売上減少が起きていました。
飲食店が休業要請を受けたり、旅行やイベントが中止されたり、人の移動そのものが制限されたりしたからです。
ゼロゼロ融資がなければ、もっと早い段階で多数の企業が倒産し、失業者も急増していた可能性があります。
問題は、融資によって時間を確保したものの、その間に経営体質を改善できなかった企業が存在することです。
借りた資金を使って、
- 新しい販売ルートを作る
- インターネット販売を始める
- 不採算店舗を整理する
- 商品やサービスを見直す
- デジタル化によって人手を減らす
- 適切な値上げを行う
といった改革を進められた企業は、返済開始後も生き残れる可能性があります。
一方で、借入金を日々の赤字補填だけに使い続けた企業は、返済開始とともに資金が不足しやすくなります。
ゼロゼロ融資は企業を永久に救う制度ではなく、経営を立て直すための時間を確保する制度だったとも考えられます。
原因② 原材料費・電気代・物流費の上昇
企業を苦しめている二つ目の原因が物価高です。
消費者にとっての物価高は、「食品や日用品の値段が上がること」
ですが、企業にとっては、商品を作ったり販売したりするための費用が上がることを意味します。
例えば、パン屋の場合は次のような費用が上昇します。
- 小麦粉
- バター
- 砂糖
- 卵
- 包装資材
- 電気代
- ガス代
- 配送費
- 従業員の給料
仮に、これまで100円で作って150円で売っていた商品があるとします。
以前は1個売ると50円の粗利益がありました。
しかし、原材料費などが上がって製造原価が130円になれば、販売価格を150円のままにしていると、粗利益は20円しか残りません。
| 項目 | 物価上昇前 | 物価上昇後 |
|---|---|---|
| 販売価格 | 150円 | 150円 |
| 原価 | 100円 | 130円 |
| 粗利益 | 50円 | 20円 |
売上金額が以前と同じでも、利益は大幅に減ります。
この状態で借入金の返済や人件費の支払いが加わると、会社に現金が残らなくなります。
特に中小企業は、大企業ほど大量仕入れによる価格交渉力がなく、仕入れ価格の上昇を受け入れざるを得ない場合があります。
原因③ 値上げしたくても価格転嫁できない
原材料費が上がったなら、販売価格も上げればよいと思うかもしれません。
しかし、中小企業にとって値上げは簡単ではありません。
飲食店がメニュー価格を上げれば、お客様が別の店に移る可能性があります。
スーパーが一部商品の価格を上げれば、近隣の競合店と比較されます。
部品メーカーが納入価格を上げようとしても、取引先から受け入れてもらえないことがあります。
そのため、多くの企業は、コストが上がっても価格を据え置き、自社の利益を削って耐えようとします。
しかし、値上げを我慢すればするほど、商品を売っても利益が残らない状態になります。
これが価格転嫁の遅れです。
近年は、売上が大きく落ちていなくても、仕入れ価格や人件費の上昇によって利益が減少し、資金繰りに行き詰まる企業が出ています。
帝国データバンクも、物価高、価格転嫁の難しさ、人手不足、後継者難、ゼロゼロ融資の返済負担などが、小規模事業者の倒産に影響していると分析しています。
原因④ 人手不足なのに人件費も上がっている
人手不足も、令和型倒産を象徴する問題です。
通常、経営が厳しくなった会社は、従業員を減らすことで人件費を抑えようとします。
しかし現在は、仕事や注文があるのに、人が集まらないため営業を続けられない企業が増えています。
特に人手不足が深刻になりやすいのは、次のような業界です。
- 建設業
- 運送業
- 介護業
- 外食産業
- 宿泊業
- 小売業
- 警備業
- 清掃業
従業員を募集しても応募が来ないため、時給や給料を上げる必要があります。
しかし、給料を上げれば会社の負担も増えます。
つまり企業は、「人が足りない」「採用するには給料を上げなければならない」「給料を上げると利益が減る」
という難しい状況に置かれています。
東京商工リサーチによると、2025年度の人手不足倒産は442件となり、過去最多を更新しました。
特に人件費の上昇を原因とする倒産が大きく増えており、人手を多く必要とする労働集約型の業種で深刻さが増しています。
人手不足で倒産する仕組み
人手不足倒産は、単に従業員が少ないだけで発生するわけではありません。
例えば、運送会社に配送の依頼が増えているとします。
しかし、ドライバーが足りなければ、すべての仕事を受けることができません。
残業を増やして対応すれば、時間外手当が増え、従業員の負担も大きくなります。
無理な働き方が続けば、さらに退職者が増える可能性があります。
新しい人を採用するために給料を上げても、取引先から受け取る運送料を値上げできなければ、会社の利益は減ります。
結果として、
人手不足
↓
受注を断る
↓
売上が伸びない
↓
残った従業員の負担が増える
↓
退職者が増える
↓
さらに人手不足になる
という悪循環に陥ります。
売上を伸ばすための仕事があるのに、それをこなす人がいないことが、現在の人手不足倒産の特徴です。
原因⑤ 賃上げできない企業から人が離れる
物価高が続くなか、従業員の生活を守るためには賃上げが必要です。
大企業が給料を大きく上げれば、求職者は待遇のよい会社に集まりやすくなります。
一方で、利益の少ない中小企業は、賃上げしたくても十分な原資を確保できない場合があります。
賃上げできなければ、従業員が条件のよい会社へ転職してしまう可能性があります。
しかし、無理に賃上げすれば、会社の資金繰りが悪化します。
「賃上げをしなければ人が辞める」
「賃上げをすれば会社の利益が減る」
という板挟みが起きています。
原因⑥ 経営者の高齢化と後継者不足
業績が極端に悪くなくても、経営者の高齢化によって会社を続けられなくなる場合があります。
特に地域の中小企業では、
- 子どもが会社を継がない
- 従業員に後継者候補がいない
- 第三者への事業承継が進まない
- 経営者本人の体力が限界になる
- 借入金の個人保証を引き継げない
といった問題が起きています。
黒字であっても、後継者がいなければ廃業を選択せざるを得ません。
これは厳密には法的な倒産ではなく、自主廃業となる場合もあります。
しかし、取引先や従業員、地域住民から見れば、利用していた会社や店舗がなくなる点では大きな影響があります。
原因⑦ 税金や社会保険料の支払いが重い
経営が厳しい企業では、仕入れ代や給料を優先し、税金や社会保険料の支払いを後回しにしてしまうことがあります。
しかし、税金や社会保険料の支払いは、完全になくなるわけではありません。
滞納額が積み重なり、延滞金なども発生すれば、後から大きな負担になります。
会社に現金がない状態で差し押さえなどを受ければ、事業の継続が一気に難しくなる可能性があります。
日々の売上はあっても、税金、社会保険料、借入金返済などを含めると現金が不足する企業もあります。
「黒字なのに倒産する」とはどういうことか
企業倒産を理解するうえで重要なのが、利益と現金は同じではないという点です。
帳簿上では利益が出ていても、手元に現金がなければ会社は倒産することがあります。
これを黒字倒産と呼びます。
例えば、会社が取引先に100万円の商品を販売したとします。
商品を渡した時点で帳簿上は100万円の売上になります。
しかし、代金が実際に振り込まれるのが2か月後なら、その間は現金が入ってきません。
一方で、仕入れ先への支払い、給料、家賃、借入金返済は先に行わなければならないことがあります。
黒字倒産の簡単な例
ある会社が、今月100万円の商品を販売したとします。
帳簿上は利益が出ていても、入金が2か月後の場合、今月使える現金にはなりません。
その一方で、今月中に次の支払いがあるとします。
| 支払項目 | 金額 |
|---|---|
| 仕入れ代 | 40万円 |
| 給料 | 35万円 |
| 家賃・光熱費 | 10万円 |
| 借入金返済 | 15万円 |
| 合計 | 100万円 |
銀行口座に50万円しかなければ、帳簿上は黒字でも支払いができません。
銀行から追加融資を受けられず、取引先にも支払いを待ってもらえなければ、事業を続けられなくなります。
企業にとっては、利益を出すことだけでなく、支払日に必要な現金を確保することが非常に重要なのです。
令和型倒産は「複合型」である
従来の企業倒産には、
「商品が売れなくなった」
「経営者が大きな投資に失敗した」
「取引先が倒産して代金を回収できなかった」
といった比較的分かりやすい原因がありました。
しかし、令和型倒産では、複数の問題が連鎖します。
例えば、次のような流れです。
原材料費が上がる
↓
値上げすると客が減るため価格を据え置く
↓
利益率が下がる
↓
賃上げできない
↓
従業員が辞める
↓
人手不足で営業時間を短縮する
↓
売上が減る
↓
ゼロゼロ融資の返済が始まる
↓
手元の現金がなくなる
↓
倒産する
一つひとつの問題だけなら耐えられても、同時に発生すると耐えられなくなるのです。
これが、近年の企業倒産が「令和型」と呼ばれる理由の一つです。
小売業やスーパーも他人事ではない
小売業は、令和型倒産の影響を受けやすい業種の一つです。
帝国データバンクの集計では、2025年度の小売業の倒産は2,233件となり、2000年度以降で最多を更新しました。
スーパーや小売店では、次のような費用が上昇しています。
- 商品の仕入れ価格
- 店舗の電気代
- 冷蔵・冷凍設備の維持費
- 物流費
- 包装資材費
- 人件費
- キャッシュレス決済手数料
- 店舗設備の修理費
特にスーパーは、冷蔵庫や冷凍ケースを一日中動かす必要があります。
電気代が上がっても、簡単に設備を止めることはできません。
また、食品の値上げが続けば、消費者は購入点数を減らしたり、より安い商品を選んだりします。
店舗側としては売上を確保するために価格を抑えたいものの、仕入れ価格が上がっているため、利益を削らざるを得ない場合があります。
さらに、人手不足によってレジ、品出し、惣菜製造などの人員が確保できなければ、売場やサービスの維持も難しくなります。
売上があるから安心とは限らず、利益と現金が残っているかを見る必要があります。
倒産が増えると私たちの生活はどうなるのか
企業倒産は、経営者や従業員だけの問題ではありません。
私たちの暮らしにもさまざまな形で影響します。
雇用が失われる
会社が事業を終了すれば、そこで働いていた人は仕事を失う可能性があります。
地域の主要企業が倒産した場合、短期間で多数の失業者が発生することもあります。
取引先にも影響が広がる
一つの会社が倒産すると、商品を納入していた会社が代金を回収できなくなる場合があります。
その結果、取引先まで資金繰りが悪化する連鎖倒産が起きる可能性があります。
商品やサービスの選択肢が減る
地域のスーパー、飲食店、旅館、工務店などがなくなれば、住民が利用できる商品やサービスが減ります。
特に地方では、近隣に代わりとなる会社や店舗がない場合もあります。
商品価格が上がる可能性がある
競争相手が減れば、生き残った企業が価格を上げやすくなる場合があります。
また、取引先の倒産によって調達先を変更すると、仕入れ価格が上がり、最終的な販売価格に反映される可能性もあります。
自治体の税収が減る
企業が減れば、法人関係の税収や雇用者からの税収が減る可能性があります。
税収が減れば、地域の公共サービスにも影響が及ぶかもしれません。
倒産件数が増えても、日本企業すべてが危険なわけではない
企業倒産が増えているからといって、日本中の会社がすぐに倒産するわけではありません。
コロナ禍をきっかけに事業内容を見直し、成長している企業もあります。
例えば、
- インターネット販売を強化した
- 不採算事業から撤退した
- 自動化や省人化を進めた
- 商品の付加価値を高めた
- 適切な値上げを行った
- 新しい顧客層を開拓した
- 借入金を計画的に減らした
といった企業は、環境変化に対応しやすくなります。
倒産件数が増えているという数字だけを見て、必要以上に不安になる必要はありません。
ただし、中小企業を取り巻く環境が厳しくなっていることは事実であり、企業ごとの差が広がっていると考えた方がよいでしょう。
企業が生き残るために必要なこと
では、企業は令和型倒産を避けるために何をすべきなのでしょうか。
売上よりも利益と現金を見る
売上が増えていても、利益率が低下していれば経営は安定しません。
さらに、利益が出ていても入金が遅ければ、資金不足になる可能性があります。
経営者は、
- どの商品で利益が出ているのか
- どの店舗や事業が赤字なのか
- 何か月分の現金があるのか
- 借入金の返済額はいくらか
- 今後どの時期に資金が不足するのか
を早めに確認する必要があります。
値上げを避けすぎない
値上げによって客離れが起きる可能性はあります。
しかし、利益が出ない価格で販売を続ければ、最終的に商品やサービスそのものを提供できなくなります。
単純に価格を上げるだけではなく、
- 品質を高める
- 容量を見直す
- サービスを追加する
- 高付加価値商品を増やす
- 不採算商品を整理する
といった方法も必要です。
人手不足を前提に仕事を見直す
今後、すべての会社が必要な人数を採用できるとは限りません。
そのため、
- セルフレジの導入
- 発注作業の自動化
- 配送ルートの見直し
- 営業時間の短縮
- 不要な書類や会議の削減
- 作業手順の標準化
など、人が少なくても運営できる仕組みが重要になります。
資金不足になる前に相談する
資金が完全になくなってから金融機関に相談しても、選択肢が限られる場合があります。
返済が苦しくなりそうな段階で、
- 取引銀行
- 税理士
- 商工会議所
- 商工会
- よろず支援拠点
- 中小企業活性化協議会
などに相談することが大切です。
国は中小企業向けに補助金や経営相談などの支援情報を提供しており、ミラサポplusでも支援制度を確認できます。
働いている会社が危ないときに見られる兆候
会社員の立場でも、勤務先の状況をある程度確認しておくことは大切です。
必ず倒産するとは限りませんが、次のような変化が重なっている場合は注意が必要です。
- 給料の支払いが遅れる
- 経費の精算が遅れる
- 仕入れ先への支払い条件が急に変わる
- 商品が入荷しなくなる
- 取引先から現金払いを求められる
- 従業員の退職が相次ぐ
- 求人を出しても採用できない
- 社会保険料や税金を滞納している
- 銀行員や債権者の訪問が増える
- 経営者が資金繰りの話ばかりする
- 会社の備品や資産が突然売却される
- ボーナスや手当が急に削減される
会社の一時的な経費削減だけで判断することはできません。
しかし、給料の遅配や社会保険料の未納などが発生している場合は、会社の資金繰りがかなり厳しくなっている可能性があります。
念のため、給与明細、雇用契約書、勤務記録などを保管し、転職先の情報も少しずつ確認しておくと安心です。
私たちは企業倒産のニュースをどう見ればよいのか
企業倒産のニュースを見るときは、倒産件数だけでなく、その中身を見る必要があります。
確認したいのは、次のような点です。
- どの業界で増えているのか
- 大企業と中小企業のどちらが多いのか
- 負債総額は増えているのか
- 物価高や人手不足が原因なのか
- ゼロゼロ融資利用後の倒産なのか
- 地域経済や雇用への影響は大きいのか
2025年度は倒産件数が1万件を超えましたが、負債総額は前年度より減少しています。
これは、巨大企業が次々と倒産しているというよりも、負債額の小さな中小・零細企業の倒産が多いことを示しています。
数字だけを見て「日本経済がすぐに崩壊する」と考えるのは正確ではありません。
一方で、地域に根差した小規模企業の倒産が増えていることは、雇用や生活サービスにじわじわと影響する重要な問題です。
まとめ|令和型倒産は複数の問題が重なって起きている
今回は、近年なぜ企業倒産が増えているのかについて解説しました。
現在の企業倒産は、単なる売上不振だけで説明できません。
主な原因は次のとおりです。
- ゼロゼロ融資や借換融資の返済
- 原材料費やエネルギー価格の上昇
- 値上げや価格転嫁の遅れ
- 深刻な人手不足
- 採用費や人件費の上昇
- 経営者の高齢化と後継者不足
- 税金や社会保険料の負担
- 利益が出ていても現金が不足する黒字倒産
これらが複雑に重なって発生するのが、令和型倒産の特徴です。
ゼロゼロ融資は、コロナ禍で多くの企業を一時的に支えました。
しかし、融資によって得た時間のなかで事業を立て直せなかった企業は、返済開始、物価高、人手不足という新たな問題に直面しています。
一方で、適切な価格転嫁、事業の整理、デジタル化、借入金の管理などを進め、環境変化に対応している企業もあります。
企業倒産が増えているというニュースを、単に「経営者の努力不足」と考えるのではなく、日本経済や地域社会が抱えている構造的な問題として見ることが大切ではないでしょうか。
私たち消費者にとっても、企業倒産は決して他人事ではありません。
普段利用している店舗やサービス、働いている会社、取引先、地域の雇用など、さまざまな形で生活につながっています。
今後もゼロゼロ融資などの返済、人手不足、物価高の動向を確認しながら、企業倒産がどの業界に広がっているのか注目していく必要がありそうです。



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