
どうも、おはようございます、こんにちは、こんばんは。ミギーです♪♪ スーパーで品出しをしていると、レジのパートさんが「実は先月ぎっくり腰で2週間休んじゃって…でも傷病手当金ってのがあるらしいって聞いたんだけど、よくわからなくて」って相談してきたんです。

ぎっくり腰、つらいよね…。私も出産前に体調を崩して長く休んだとき、この制度に本当に助けられたの。知ってると知らないとで、生活の安心感が全然違うんだよね。
突然の病気やケガで仕事を休まなければならなくなったとき、
「収入が減って生活費が心配…」 「診断書を書いてもらったら、何をどうすればいいの?」 「そもそも自分は対象になるの?」
そんな不安を感じる方は、実はとても多いです。
会社員や公務員など、健康保険に加入している方には、**「傷病手当金(しょうびょうてあてきん)」**という公的な制度があります。傷病手当金は、病気やケガで働けなくなったときに、生活を支えるためのお金を健康保険から受け取れる仕組みです。
しかし実際には、
- 「どうやって申請するの?」
- 「診断書は必要?費用はどれくらい?」
- 「いくらもらえるの?計算方法は?」
- 「パートやアルバイトでも対象?」
- 「退職したら打ち切られてしまうの?」
- 「有給休暇とどっちを先に使うべき?」
など、初めて利用する方にはわからないことが山ほどあります。制度を知らないまま無給で休んでしまい、本来もらえるはずのお金を受け取っていなかった、というケースも少なくありません。
そこで今回は、傷病手当金の仕組みから支給条件、具体的な計算方法、申請の流れ、必要書類、そして特に見落とされがちな退職後の継続受給まで、初心者の方にも徹底的にわかりやすく解説していきます。
目次傷病手当金とは?
傷病手当金とは、病気やケガで働けず、会社から十分な給与が支払われない場合に、健康保険から支給される制度です。働けない期間の生活費を支えることを目的としています。
ただし、誰でも受け取れるわけではありません。主に対象となるのは、
- 会社員
- 公務員
- 健康保険組合や協会けんぽなどの被用者保険に加入している方
です。
一方、国民健康保険(自営業・フリーランスなど)には、原則として傷病手当金の制度はありません(自治体が独自に実施する特例を除く)。国民健康保険は市区町村ごとに運営されており、傷病手当金の任意給付を条例で定めることは制度上可能とされていますが、実際に恒常的な制度として運用している自治体はごくわずかです。フリーランスや個人事業主の方は、民間の就業不能保険などで備える必要があることを覚えておきましょう。

ここ、意外と誤解している人が多いポイントなんですよね。「健康保険証があれば誰でももらえる」と思っていたら、実は国民健康保険だったから対象外だった…なんてケースもあるので、まずは自分の保険証の種類を確認してみてください。
傷病手当金がもらえる4つの条件
傷病手当金を受け取るには、次の4つの条件をすべて満たす必要があります。
① 業務外の病気やケガであること
仕事中や通勤中のケガは労災保険(労働者災害補償保険)の対象となるため、傷病手当金ではなく労災保険が優先されます。
対象となるのは、
- 私生活での病気
- 私生活でのケガ
- 入院・手術
- うつ病や適応障害などの精神疾患
など、業務が原因ではないものです。逆に、仕事中の事故や通勤災害は労災保険の休業補償給付の対象となり、傷病手当金は支給されません。
② 働けない状態(労務不能)であること
医師が**「仕事に就くことができない状態」**と判断している必要があります。この状態のことを専門用語で「労務不能」と呼びます。
風邪をひいた程度で普通に仕事ができる場合や、通院はしているが実際には働ける状態にある場合は対象になりません。労務不能かどうかの判断は、本人の自己申告だけでなく、医師の医学的な意見に基づいて健康保険側が総合的に審査します。
③ 連続3日間休むこと(待期期間の完成)
傷病手当金には待期期間という仕組みがあります。仕事を休み始めてから連続して3日間休むことで、待期期間が「完成」し、4日目以降が支給対象になります。
④ 給与が支払われていないこと
会社から通常どおり給与が支払われている場合、その期間は傷病手当金の対象になりません。ただし、給与が支払われていても、その額が傷病手当金の額より少ない場合は、差額分が支給されます。

この4条件、どれか1つでも欠けると支給されないから注意が必要だよ。特に「待期期間」は誤解しやすいポイントだから、次できちんと説明するね。
待期期間の数え方を徹底解説
待期期間は、多くの方がつまずくポイントです。ここで詳しく整理しておきましょう。
待期期間はどう数える?
待期期間とは、「連続して3日間、仕事を休んだ」という事実を作る期間のことです。この3日間には、
- 土日祝日などの公休日
- 有給休暇を取得した日
も含めることができます。つまり、平日だけでなく休日もカウント対象になります。重要なのは「連続していること」であり、たとえば「休み→出勤→休み」のように途中で出勤してしまうと、待期期間はリセットされ、また最初から数え直しになります。
待期期間中は無給でも支給されない
待期期間の3日間(1〜3日目)は、たとえ無給であっても傷病手当金の支給対象にはなりません。支給されるのは、あくまで待期完成後の4日目以降です。
具体例で確認
例えば、月曜日から体調を崩して欠勤したケースを考えてみましょう。
| 日 | 状態 | 待期期間 |
|---|---|---|
| 月曜日 | 欠勤 | 待期1日目 |
| 火曜日 | 欠勤 | 待期2日目 |
| 水曜日 | 欠勤 | 待期3日目(待期完成) |
| 木曜日 | 欠勤 | 支給対象開始 |
このように、月〜水の3日間で待期が完成し、木曜日以降が支給の対象になります。
有給休暇を先に使うべき?
「有給休暇を先に使ってから傷病手当金を申請すべきか」という質問もよくいただきます。有給休暇を消化している間は給与が支払われるため、その日は傷病手当金の支給対象にはなりませんが、待期期間としてはカウントできます。そのため、有給休暇を使いながら待期期間を完成させ、有給を使い切ったあとに傷病手当金へ切り替える、という流れを取る方も多くいます。どちらを優先すべきかは、有給の残日数や今後の見通しによって異なるため、会社の人事担当者や社労士に相談しながら決めるのがおすすめです。
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<h2 id=”toc4″>傷病手当金はいくらもらえる?計算方法とシミュレーション</h2>
基本の計算式
傷病手当金の支給額は、健康保険で用いられる「標準報酬月額」をもとに算出されます。1日あたりの支給額は、次の計算式で求められます。
1日あたりの支給額 = 支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30日 × 2/3
簡単に言えば、直近12か月の給与水準(標準報酬月額)をもとに1日あたりの金額を算出し、その約3分の2が支給される仕組みです。
「標準報酬月額」とは、毎月の給与(基本給+各種手当+通勤手当など)をもとに決定される、健康保険や厚生年金の保険料計算の基準となる金額のことです。実際の手取り額とは若干異なる場合があります。
加入期間が12か月未満の場合の特例計算
健康保険への加入期間が12か月に満たない場合は、次の①②のうち低い方の金額が使われます。
- 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
- 標準報酬月額の平均額(保険者ごとに定められる全被保険者の平均額。2025年3月31日以前に資格取得した方は30万円、2025年4月1日以降に資格取得した方は32万円が基準となるケースが一般的です)
シミュレーション例
具体的な月給ごとの支給額の目安を見てみましょう。あくまで概算であり、実際の標準報酬月額とは差が生じる場合があります。
| 月給(標準報酬月額の目安) | 1日あたりの支給額(目安) | 1か月分(30日換算)の目安 |
|---|---|---|
| 20万円 | 約4,400円 | 約13万2,000円 |
| 25万円 | 約5,500円 | 約16万5,000円 |
| 30万円 | 約6,600円 | 約19万8,000円 |
| 35万円 | 約7,700円 | 約23万1,000円 |
| 40万円 | 約8,800円 | 約26万4,000円 |
| 50万円 | 約1万1,100円 | 約33万3,000円 |
例えば月給30万円程度の方であれば、1日あたり約6,600円前後、1か月まるまる休んだ場合はおよそ19万8,000円前後が目安となります。実際の金額は、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合など)や、直近12か月の標準報酬月額の平均によって変わってきますので、あくまで概算として捉えてください。

「額面のだいたい3分の2」って覚えておくと、いざというときの目安が掴みやすいですよ。手取りで考えるともう少し割合が高く感じることもあります。というのも、傷病手当金は非課税なので、所得税や住民税がかからないんです。
傷病手当金は非課税
傷病手当金は、所得税法上非課税所得とされており、所得税や住民税は課税されません。ただし、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)については、休職中も原則として給与と同様に発生し続けるため、会社を通じて支払う必要がある点には注意が必要です(会社によっては本人負担分を立て替えてもらい、復職後にまとめて精算するケースもあります)。
傷病手当金はいつまで受け取れる?支給期間のルール
支給期間は通算で最長1年6か月
支給期間は、支給が開始された日から**通算して最長1年6か月(約548日)**です。
かつては「暦日で1年6か月」というルールでしたが、2022年1月の法改正により「通算」1年6か月に変更されました。これにより、一度職場復帰してから同じ病気やケガで再び働けなくなった場合でも、以前受給した期間と通算して1年6か月まで受給できるようになっています。
例えば、6か月間傷病手当金を受給した後にいったん復職し、体調が悪化して再び同じ病気で働けなくなった場合、残りの1年分について改めて受給できる、というイメージです。途中で出勤した日は支給日数としてカウントされないため、休職と復職を繰り返すケースでも、実際に支給された日数の合計で通算管理されます。
別の傷病であれば期間はリセットされる
この「通算1年6か月」は、あくまで同一の傷病についての話です。まったく別の病気やケガで新たに働けなくなった場合は、新しい待期期間・新しい支給期間としてカウントされます。
傷病手当金の申請方法【6ステップで解説】
ここからは、実際の申請の流れを見ていきましょう。
STEP1 病院を受診する
まずは病院を受診し、医師の診察を受けます。医師から「仕事を休む必要がある」「労務不能である」と判断されることが、申請の大前提になります。自己判断で「調子が悪いから休む」というだけでは申請要件を満たせないため、必ず受診し、診断を受けましょう。
STEP2 会社へ連絡する
会社へ、
- 病気やケガで休むこと
- 傷病手当金を申請したいこと
を伝えます。会社によっては、人事部や総務部が申請書の入手方法や記入手順を案内してくれます。中小企業などで担当部署がはっきりしない場合は、加入している健康保険(協会けんぽの都道府県支部や健康保険組合)に直接問い合わせるとスムーズです。
STEP3 申請書を入手する
申請書は、
- 協会けんぽ
- 健康保険組合
- 共済組合
などのホームページからダウンロードできます。最近では協会けんぽのマイページからオンラインで申請書を作成できる仕組みも整備されつつあるため、加入先の最新情報を確認しておくとよいでしょう。勤務先から直接渡される場合もあります。
STEP4 申請書を記入する
傷病手当金の申請書は、通常4ページ構成になっています。それぞれ記入する人が異なる点に注意してください。
本人が記入する内容
- 氏名・住所
- 振込口座
- 発病・負傷の年月日や原因
- 休んだ期間(申請期間)
- report療養の状況
会社(事業主)が記入する内容
- 出勤状況(出勤・欠勤の実績)
- 給与の支払い状況(有給の有無、支払額など)
医師が記入する内容
- 傷病名
- 労務不能と認めた期間
- 治療の内容・経過
- 就労不能であることの医学的証明
医師の証明欄は、病院の窓口で申請書を提出し、記入してもらう必要があります。診察と同時に依頼できる病院もあれば、後日改めて取りに行く必要がある病院もあるため、事前に確認しておくとスムーズです。
STEP5 健康保険へ提出
必要事項をすべて記入したら、加入している健康保険へ提出します。提出方法は、
- 本人が直接郵送する
- 会社経由でまとめて提出する
など、加入している健康保険や会社の運用によって異なります。申請は一度にまとめて行う必要はなく、1か月〜3か月単位で区切って複数回に分けて申請するのが一般的です。休職が長期化する場合は、生活費のことも考え、こまめに申請していくとよいでしょう。
STEP6 審査・振込
審査が終わり、支給が決定すると、指定した口座へ振り込まれます。目安としては申請から2週間〜1か月程度とされていますが、健康保険の混雑状況や書類の不備の有無によって前後することがあります。初回の申請は特に時間がかかりやすいため、余裕を持ったスケジュールで準備しておくと安心です。

申請に必要な書類一覧
申請時には、主に次のような書類・情報を準備します。
- 傷病手当金支給申請書(本人・会社・医師の記入欄がすべて記入されたもの)
- 健康保険証(または資格情報がわかるもの)
- 振込先口座情報
- 医師の意見書・証明(申請書内に含まれる場合が多い)
- 会社の証明(出勤状況・給与支払い状況)
- 退職後に申請する場合は、退職を証明する書類が必要になることもあります
健康保険組合によっては、上記に加えて追加の確認書類を求められる場合もあるため、事前に加入先へ確認しておくと安心です。
診断書代(文書料)は誰が負担する?
病院で申請書の医師記入欄を書いてもらう際には、**文書料(診断書代)**がかかることがあります。
一般的には3,000円〜8,000円程度が相場とされています。金額は病院によって差があり、内容が複雑な場合や、複数回分をまとめて依頼する場合は、さらに高くなることもあります。
この費用は原則として自己負担となり、健康保険から返金されることはありません。ただし、会社によっては福利厚生の一環として文書料を補助してくれるケースもあるため、念のため会社の担当部署に確認してみるとよいでしょう。
退職後も傷病手当金はもらえる?継続給付の条件を徹底解説
「休職中に退職を考えているけれど、退職したら傷病手当金は打ち切られてしまうのでは…」という不安を抱える方は非常に多いです。結論から言うと、一定の条件を満たせば、退職後も残りの期間について傷病手当金を継続して受給することができます。これを「資格喪失後の継続給付」と呼びます。
継続給付を受けるための2つの条件
次の2つの条件を、両方とも満たす必要があります。
条件1:被保険者期間が継続して1年以上あること
被保険者資格を喪失した日の前日(退職日)までに、継続して1年以上の被保険者期間があることが必要です。この「1年以上」には、国民健康保険・共済組合・任意継続被保険者としての期間は含まれません。あくまで同一の健康保険(会社の健康保険)に継続して1年以上加入していたことが条件になります。
入社してから1年未満で休職・退職するケースでは、この条件を満たせず、退職後の継続給付が受けられないことがあります(在職中に受給する分については、被保険者期間が1年未満でも問題なく受給できます)。休職・退職のタイミングを考えるうえで大きな分かれ目になるため、自分の被保険者期間がどのくらいあるかは、退職を決断する前に必ず確認しておきましょう。
条件2:資格喪失時に、傷病手当金を受給しているか、受給できる状態であること
退職日(資格喪失をした日の前日)の時点で、
- 実際に傷病手当金を受給している
- または、まだ受給していなくても、待期期間が完成しており、支給要件を満たしている状態にある
のいずれかである必要があります。
ここで特に注意したいのが、**「退職日に出勤してはいけない」**という点です。退職日当日に出勤してしまうと、その日は「労務不能」の状態ではなかったとみなされ、継続給付を受ける条件を満たさなくなってしまいます。結果として、資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金が受け取れなくなる可能性があるため、退職日を決める際には十分注意しましょう。
継続給付で受け取れる期間
継続給付で受け取れるのは、あくまで今まで受給した期間(または受給可能だった期間)の残りの期間です。退職したからといって、新たに1年6か月分の権利が発生するわけではありません。支給開始日から通算して1年6か月という上限は、在職中・退職後を通じて共通で計算されます。
退職後の申請方法の違い
在職中の申請とは異なり、退職後の申請では事業主(会社)の証明は不要です。申請には医師の意見書は引き続き必要ですが、会社を経由せず、本人が直接、加入していた公的医療保険(協会けんぽや健康保険組合など)の窓口に申請します。
申請の頻度は、在職中と同様に1か月〜3か月単位で行うのが一般的です。また、申請の期限(時効)は、受給できる状態になった日それぞれの翌日から2年間とされています。期限を過ぎると申請できなくなってしまうため、長期化する場合でも忘れずに手続きを進めましょう。
退職後、健康保険の加入先が変わっても大丈夫
退職後は、
- 国民健康保険への加入
- 健康保険の任意継続
- 家族の被扶養者になる
など、いくつかの選択肢がありますが、退職時点で継続給付の受給資格がある場合は、その後どの保険に加入しても継続受給が可能です。継続給付はあくまで「以前加入していた健康保険」から支給されるものであり、退職後の新しい保険加入先とは別の話になる点を押さえておきましょう。

「退職=傷病手当金が終わる」と思い込んでいる方がすごく多いんですが、条件さえ満たしていれば意外と続けてもらえるんです。ただし「退職日にうっかり出勤してしまう」という落とし穴だけは本当に注意してくださいね。
他の給付との関係(失業保険・出産手当金・障害年金・老齢年金)
傷病手当金は、他の公的給付と重なる場合、支給が停止されたり調整されたりすることがあります。代表的なケースを整理しておきましょう。
失業保険(雇用保険の基本手当)との関係
傷病手当金と雇用保険の失業給付(基本手当)は、同時に受け取ることはできません。傷病手当金は「労務不能な方」を対象とする給付である一方、失業給付は「すぐに働ける状態にある方」を対象とする給付であり、そもそもの目的が異なるためです。
すぐに働けない状態にある方は、まず傷病手当金を受給しながら療養に専念し、体調が回復してきた段階でハローワークに「受給期間延長」の手続きを行うのが一般的な流れです。この手続きを行っておくことで、回復後にあらためて失業給付を受けられるようになります。
出産手当金との関係
出産手当金と傷病手当金の両方の支給要件を満たす期間が重なった場合は、出産手当金が優先され、傷病手当金は支給停止となります。ただし、出産手当金の日額よりも傷病手当金の日額の方が高い場合は、その差額が傷病手当金として支給されます。
障害年金との関係
同一の傷病について障害厚生年金を受けられるようになった場合、原則として傷病手当金は支給されなくなります。ただし、障害厚生年金の額(日額換算)が傷病手当金の額より低い場合には、その差額が支給される仕組みになっています。
老齢年金との関係
資格喪失後の継続給付を受けている方が、老齢年金など老齢を支給事由とする年金の受給者になった場合も、原則として傷病手当金は支給されません。こちらも同様に、年金の日額が傷病手当金の支給日額より低いときは、差額が支給されます。
労災保険との関係
すでに触れたとおり、業務上・通勤途上の病気やケガについては労災保険が優先され、傷病手当金は支給されません。ただし、労災保険の休業補償給付を受けていても、その原因となった傷病とは別の私傷病により働けなくなった場合には、傷病手当金の対象となり得ます。
パート・アルバイト・契約社員でも対象になる?
「正社員じゃないと傷病手当金はもらえないのでは」と思われがちですが、そんなことはありません。雇用形態にかかわらず、協会けんぽや健康保険組合などの健康保険(被用者保険)に加入していれば、パートやアルバイト、契約社員の方でも対象になります。
重要なのは「雇用形態」ではなく「どの健康保険に加入しているか」という点です。勤務時間や勤務日数が一定の基準を満たし、社会保険(健康保険・厚生年金)の加入対象となっているパート・アルバイトの方であれば、正社員と同じように傷病手当金の支給条件・計算方法が適用されます。
一方で、社会保険の加入対象外で、家族の扶養に入ったまま国民健康保険や被扶養者の立場で働いている場合は、そもそも被用者保険の被保険者ではないため、傷病手当金の対象にはなりません。自分がどの健康保険に加入しているかは、給与明細や保険証の記載内容で確認できます。
うつ病・適応障害など精神疾患での申請について
傷病手当金は、身体的な病気やケガだけでなく、うつ病や適応障害などの精神疾患でも申請することができます。実際、休職理由として精神疾患は非常に多く、傷病手当金の主要な利用ケースの一つになっています。
精神疾患の場合、身体の病気と比べて「労務不能かどうか」の判断がやや複雑になることがあります。目に見える外傷や検査数値がある身体疾患と異なり、精神症状は本人の状態や医師の問診に基づく総合的な判断が中心となるためです。そのため、次のような点を意識しておくと、申請がスムーズになりやすいでしょう。
- 通院・診断を先延ばしにせず、体調に違和感を覚えた早い段階で受診する
- 医師に、仕事内容や職場でのストレス状況を具体的に伝える
- 主治医と継続的に関係を築き、経過を正確に共有する
- 診断書・意見書の内容と、実際の生活状況(外出頻度など)に大きな矛盾が生じないよう注意する
精神疾患による休職は長期化しやすい傾向があるため、「通算1年6か月」という支給期間の上限や、退職後の継続給付の条件についても、早めに把握しておくことが安心につながります。

心の不調は自分では気づきにくいこともあるから、「なんだかいつもと違うな」と思ったら、無理せず早めに専門医に相談してほしいな。制度はちゃんと味方になってくれるからね。
申請でよくある失敗と注意点10選
最後に、実際に申請する際につまずきやすいポイントをまとめました。
- 休み始めたら早めに会社へ連絡する……連絡が遅れると、申請書の準備や会社側の証明が後手に回りやすくなります。
- 医師の指示どおりに治療・通院を続ける……通院間隔が空きすぎると、労務不能の証明に影響することがあります。
- 申請書の記入漏れ・押印漏れに注意する……本人・会社・医師の3者すべての記入がそろっているか、提出前に必ず確認しましょう。
- 待期期間の数え方を誤解しない……途中で1日でも出勤すると、待期期間はリセットされてしまいます。
- 退職日に出勤しない……継続給付を希望する場合、退職日当日の出勤は要注意です。
- 申請の時効(2年)を意識する……長期化する場合でも、申請可能な期限をこまめに確認しましょう。
- 有給休暇との使い分けを事前に検討する……どちらを先に使うかで、手続きの流れが変わります。
- 文書料は自己負担であることを理解しておく……診断書代の予算も、事前に見込んでおくと安心です。
- 社会保険料の支払いを忘れない……休職中も原則として保険料負担は継続するため、会社との精算方法を確認しておきましょう。
- 支給まで時間がかかることを前提に生活費を準備する……初回申請は特に時間がかかりやすいため、貯蓄や家計のやりくりも並行して考えておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
Q. 有給休暇を使っていても申請できますか? A. 有給休暇中は給与が支払われるため、その日自体は傷病手当金の支給対象外です。ただし、待期期間としてはカウントできます。
Q. パートやアルバイトでも対象になりますか? A. 健康保険(協会けんぽや健康保険組合など)に被保険者として加入していれば、雇用形態にかかわらず対象となります。
Q. 退職後ももらえますか? A. 被保険者期間が継続して1年以上あり、退職時点で受給しているか受給要件を満たしていれば、残りの期間について継続して受給できます。
Q. 申請は自分ひとりでもできますか? A. 可能です。特に退職後の申請では会社の証明が不要になるため、本人と医師のみで手続きを進められます。
Q. 支給されるまでどれくらいかかりますか? A. 目安として申請から2週間〜1か月程度ですが、審査状況によって前後することがあります。
Q. 傷病手当金は課税されますか? A. 非課税所得のため、所得税や住民税はかかりません。ただし社会保険料の負担は原則継続します。
Q. 会社を辞めるタイミングで気をつけることはありますか? A. 退職日に出勤してしまうと、継続給付の条件を満たさなくなる可能性があるため注意が必要です。
まとめ
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった方の生活を支える、とても重要な制度です。今回のポイントを改めて整理します。
- 対象は健康保険(被用者保険)の加入者。国民健康保険は原則対象外。
- 業務外の病気・ケガで、連続3日間の待期期間を経て、4日目以降が支給対象。
- 支給額の目安は「直近12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3」で、給与のおおむね3分の2程度。
- 支給期間は支給開始日から通算して最長1年6か月。
- 申請は本人・会社・医師の3者の記入がそろって初めて完成する。
- 一定の条件を満たせば、退職後も残りの期間について継続受給が可能。ただし退職日の出勤には要注意。
- 失業給付・出産手当金・障害年金・老齢年金などとは、重なる場合に調整や支給停止が発生することがある。
- パート・アルバイト・契約社員でも、健康保険の被保険者であれば対象。
- うつ病や適応障害などの精神疾患でも申請可能。
初めて申請する方にとっては複雑に感じる制度かもしれませんが、一つひとつの手続きを順番に進めていけば、決して難しいものではありません。万が一、病気やケガで働けなくなったときは、一人で悩まず、会社の担当部署や加入している健康保険、必要であれば社会保険労務士などの専門家にも相談しながら、利用できる制度を上手に活用していきましょう。





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