歯医者のレントゲンで鼻の横が白いと言われた!副鼻腔炎なの?症状がない場合の対処法

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歯医者でレントゲンを撮ったとき、「左の鼻の横に白いものが写っています。副鼻腔炎かもしれません」と言われることがあります。鼻づまりや痛みなどの自覚症状がなければ、「自分では何ともないのに大丈夫なのだろうか」「白いものは悪い病気ではないのか」と不安になる人も多いでしょう。しかし、歯科のレントゲンで鼻の横が白く見えたからといって、すぐに重い副鼻腔炎や危険な病気と決まるわけではありません。今回は、歯科レントゲンで副鼻腔付近が白く見える理由、歯と副鼻腔炎の関係、鼻うがいをしてもよいのか、耳鼻咽喉科を受診する目安について、初心者にも分かりやすく解説します。

歯医者のレントゲンに写る「鼻の横の空洞」とは?

鼻の周辺には「副鼻腔」と呼ばれる、空気が入った複数の空洞があります。そのうち、頬の内側や上の奥歯の上にある空洞が「上顎洞」です。上顎洞の中には通常、空気が入っているため、レントゲンでは比較的黒く写ります。しかし、粘膜が腫れていたり、鼻水や膿などがたまっていたりすると、通常より白く見えることがあります。

歯科で撮影するパノラマレントゲンには、歯だけでなく、この上顎洞も一緒に写ります。そのため、虫歯や歯周病を調べるために撮影したレントゲンで、偶然、上顎洞の変化を指摘されることがあります。

白く写ったら副鼻腔炎と確定するの?

レントゲンで上顎洞が白く見えても、それだけで副鼻腔炎と確定するわけではありません。考えられる原因には、風邪などによる一時的な粘膜の腫れ、症状のほとんどない軽い副鼻腔炎、過去の炎症の影響、粘液貯留嚢胞などがあります。撮影した角度や周囲の組織との重なりによって、白く見える可能性もあります。

粘液貯留嚢胞とは、上顎洞の粘膜に分泌物がたまって、袋のようになったものです。多くは良性で、症状がなければ経過観察になる場合もあります。ただし、歯科レントゲンだけで白い部分の正体を正確に判断できるとは限りません。必要に応じて耳鼻咽喉科で鼻の中を観察したり、CT検査を行ったりして確認します。

痛みや鼻づまりがなければ心配しなくてもよい?

頬や歯の痛み、鼻づまり、膿のような鼻水、発熱などがなく、歯科医からも早急な受診を勧められていない場合は、緊急性が低い可能性があります。すぐに薬を飲んだり、手術を心配したりする必要はありません。

ただし、「症状がないから絶対に問題がない」とも言い切れません。副鼻腔炎の中には、はっきりした痛みが出ないものもあります。次回の歯科受診時に、白い部分が上顎洞全体に広がっているのか、一部分だけなのか、左上の奥歯に炎症がないか、耳鼻咽喉科で確認する必要があるかを尋ねてみるとよいでしょう。

歯が原因で副鼻腔炎になることもある

上の奥歯の根は上顎洞に非常に近く、人によっては歯の根が上顎洞のすぐそばまで達しています。そのため、深い虫歯、歯の根の先の炎症、重い歯周病、過去に神経を抜いた歯の再感染などが上顎洞へ広がり、副鼻腔炎を起こすことがあります。これを「歯性上顎洞炎」といいます。

歯性上顎洞炎は、原因となる歯がある側だけに起こりやすいのが特徴です。今回のように左側だけが白く見えた場合は、左上の奥歯に問題がないか確認することも大切です。特に、左上の奥歯の神経を抜いた経験がある、かぶせ物がある、噛むと違和感がある、以前から深い虫歯や歯周病を指摘されている場合は、そのことを歯科医に伝えましょう。

歯が原因の上顎洞炎では、鼻の薬だけで一時的に症状が改善しても、原因となる歯の炎症が残っていると再発する可能性があります。そのため、必要に応じて歯科と耳鼻咽喉科が連携して治療方針を決めます。日本鼻科学会誌に掲載された調査でも、歯性上顎洞炎の診断にはCTを重視する医師や歯科医が多いと報告されています。

怖くなって鼻ノアを使ったけれど大丈夫?

副鼻腔炎かもしれないと聞いて、不安になって市販の鼻洗浄製品「鼻ノア」などを使う人もいるでしょう。説明書どおりに1回使用した程度で、問題が起こる可能性は通常高くありません。鼻洗浄は、鼻の中に付着した鼻水、花粉、ほこりなどを洗い流す目的で使われます。

ただし、レントゲンに写った白いものが、鼻うがいによって直接洗い流せるとは限りません。副鼻腔は鼻の奥につながっていますが、市販の鼻洗浄液が上顎洞の中へ自由に入り、白い影の原因を取り除いてくれるわけではないからです。症状がない場合は、不安だからという理由で一日に何度も行う必要はありません。

鼻うがいをするときは、市販の専用洗浄液を説明書どおりに使用し、液体を強く吸い込まないようにしましょう。終わった直後に強く鼻をかむと、洗浄液が耳の方向へ入り、耳が痛くなることがあります。鼻は片方ずつ優しくかんでください。鼻うがいの後に耳の痛み、強い鼻の痛み、出血などが起きた場合は使用を中止しましょう。

自己判断で抗生物質を飲むのは避けよう

鼻の横が白く写ったからといって、すぐに抗生物質が必要になるとは限りません。副鼻腔の粘膜が腫れる原因には、細菌だけでなく、ウイルス、アレルギー、歯の炎症などもあります。以前処方されて残っている抗生物質を自己判断で飲んだり、家族の薬を使ったりするのは避けてください。

治療が必要かどうかは、症状の内容や続いている期間、鼻の中の状態、歯の状態、画像検査などを組み合わせて判断されます。症状がなく、歯科医から特別な治療や受診を指示されていない場合は、慌てて市販薬を飲むよりも、まず経過を確認することが大切です。

耳鼻咽喉科を受診したほうがよい症状

現在は症状がなくても、今後、片側だけの鼻づまり、黄色や緑色の粘り気のある鼻水、鼻水や息の嫌なにおい、鼻水が喉へ流れる後鼻漏、頬や目の下の重さ、上の奥歯の痛み、においが分かりにくいといった症状が現れた場合は、耳鼻咽喉科へ相談しましょう。

鼻症状が10日以上改善しない場合、いったん良くなってから再び悪化した場合、同じ症状を繰り返す場合も受診の目安になります。また、目の周囲が強く腫れる、見え方がおかしい、物が二重に見える、激しい頭痛、高熱、意識がおかしいといった症状がある場合は、まれではありますが重い合併症の可能性があるため、早急な受診が必要です。

症状がなくても耳鼻科で確認してよい

歯科医から耳鼻咽喉科の受診を特に勧められておらず、痛みや鼻症状もなければ、慌てて受診する必要はない可能性があります。しかし、「白い影が気になって生活に集中できない」「悪い病気ではないかと何度も考えてしまう」という場合は、安心するために一度耳鼻咽喉科を受診しても構いません。

受診する場合は、歯科で撮影したレントゲン画像を持参できるか確認しましょう。画像や紹介状があると、耳鼻科の医師が歯との関係を判断しやすくなります。耳鼻科では、症状について確認したうえで鼻の中を診察し、必要な場合だけCTなどの追加検査を検討します。

次回の歯科で確認したいこと

次回の歯科受診では、「先日のレントゲンで左の上顎洞が白いと言われましたが、歯が原因になっている可能性はありますか」「耳鼻咽喉科で確認したほうがよいでしょうか」と尋ねれば十分です。

加えて、左上の奥歯に虫歯や歯の根の炎症がないか、白い影は上顎洞全体なのか一部分だけなのか、以前のレントゲンにも同じ影が写っていたのかを確認すると、今後の対応が分かりやすくなります。

まとめ

歯医者のレントゲンで鼻の横が白く見えても、それだけで重い副鼻腔炎や危険な病気と決まるわけではありません。風邪などによる一時的な粘膜の腫れ、軽い炎症、良性の粘液貯留嚢胞、歯の根の炎症など、さまざまな可能性があります。

痛み、鼻づまり、膿のような鼻水、発熱などがなく、歯科医からも特に受診を勧められていない場合は、慌てずに次回の診察で詳しい説明を聞きましょう。鼻ノアなどの鼻洗浄を説明書どおりに1回使用した程度で、過度に心配する必要はありません。ただし、レントゲンの白い影が鼻うがいで消えるとは限らないため、必要以上に繰り返す必要もありません。

片側だけの鼻づまりや臭い鼻水、頬や上の歯の痛みなどが現れた場合は、歯性上顎洞炎も考えて耳鼻咽喉科へ相談してください。不安が強い場合も、一度専門医に確認してもらうことで安心につながります。

※本記事は一般的な医療情報を解説したもので、診断や治療に代わるものではありません。症状や画像の状態は一人ひとり異なるため、心配な場合は歯科または耳鼻咽喉科へ相談してください。

参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「鼻の病気」
https://www.jibika.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=21

参考:日本鼻科学会誌「歯性上顎洞炎に対する診断と治療に関する耳鼻咽喉科と歯科の意識調査」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrhi/58/4/58_683/_article/-char/ja/

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