「こめお」という名前を、BreakingDownや料理動画、最近の冷やし蟹ラーメンのニュースで知った人も多いのではないでしょうか。こめおさんは、格闘家として注目を集めた後、料理人・飲食店経営者として活動してきた人物です。「闘う料理人」という肩書きで知られていますが、その人生は決して順調なものではなく、少年刑務所への収監、出所後の料理修業、BreakingDownへの出演、割烹料理店の開業など、大きな浮き沈みを経験しています。今回は、こめおさんがどのような人物なのか、初心者にも分かるように経歴や活動、人気の理由、問題となった食中毒事故まで整理します。
こめおさんの基本プロフィール
こめおさんの本名は沼倉大将(ぬまくら・だいち)さんです。1995年3月7日生まれで、2026年9月現在は31歳です。職業は料理人・飲食店経営者・インフルエンサーで、以前は格闘技イベント「BreakingDown」の選手としても活動していました。ごはんソムリエの資格を持ち、米に合う料理や日本各地の食材を使った和食を得意としています。
活動名の「こめお」には、米や日本の食文化への思いが込められています。格闘技に出演する人物としては珍しく、料理人という専門分野を持っていたことから「闘う料理人」と呼ばれるようになりました。
こめおさんが有名になったきっかけはBreakingDown
こめおさんが広く知られるようになった最大のきっかけは、朝倉未来さんがCEOを務める格闘技イベント「BreakingDown」への出演です。BreakingDownは、格闘技経験者や元不良、YouTuber、会社経営者など、さまざまな経歴を持つ出場者が「1分間」という短い試合で勝負する格闘技イベントです。
こめおさんは2022年の「BreakingDown 4」のオーディションに登場しました。当時は「少年刑務所上がり」という強烈な経歴を前面に出し、ほかの参加者に激しく言い返したり、乱闘寸前の場面を作ったりするなど、感情を隠さない攻撃的なキャラクターで注目されました。
格闘技の実力だけでなく、負けん気の強さ、感情的な発言、相手に一歩も引かない姿勢が話題となり、BreakingDown初期を代表する人気選手の一人になりました。試合で思うような結果を出せない時期もありましたが、負けても再び挑戦する姿や、本業である料理に真剣に向き合う姿が支持されました。
こめおさんはBreakingDown 4からBreakingDown 14まで出場し、2024年12月のBreakingDown 14を最後に同イベントを卒業しています。卒業試合ではレオさんと対戦し、延長戦の末に逆転勝利を収めました。BreakingDown卒業試合についての記事
少年刑務所に入っていた過去
こめおさんを語るうえで避けて通れないのが、少年刑務所に収監されていた過去です。こめおさん自身が公表している経歴によると、2013年に強盗事件で逮捕され、2015年に収監、2020年に出所しています。
本人はこれまでの動画やインタビューなどで、刑務所に入っていた過去や、そこで料理に関わった経験について話してきました。出所後は料理人として働き始めましたが、当初の給料は決して高くなく、将来が見えない時期もあったといいます。
その後、BreakingDownへ出演したことで知名度が大きく上がり、料理人としての活動にも注目が集まるようになりました。本人は30歳の誕生日に、出所してから人生が大きく変わったことや、将来は「刑務所からミシュランを取る」という目標をSNSで発信しています。こめおさんが語った再起への思い
犯罪歴を持つ人物の活動には、さまざまな意見があります。ただ、こめおさんが注目された理由の一つは、過去を隠すのではなく、そこから料理人として人生を立て直そうとする姿を見せてきた点にあります。
本来の仕事は料理人
BreakingDownの印象が強いため「格闘家が飲食店を始めた」と思われることもありますが、こめおさんは格闘技で有名になる前から料理の仕事に携わっていました。出所後に飲食業界で働き、料理の技術を学びながらSNSでも料理動画を発信しました。
特にTikTokなどで、ご飯に合うおかずや家庭でも作りやすい料理を紹介し、若い世代を中心に人気を集めました。激しい言動を見せるBreakingDownでの姿と、料理を丁寧に作る姿との違いも注目された理由でしょう。
こめおさんは「ごはんソムリエ」の資格を取得しており、米の品種や炊き方、料理との組み合わせなどに関する知識を持っています。各地の生産者を訪ねて食材を探す活動も行い、「おいしいは創れる」という考えを発信してきました。
麻布十番に「割烹こめを」を開業
こめおさんは2023年、東京都港区の麻布十番に「割烹 こめを」をオープンしました。「お米本来の味をその先へ」をコンセプトに、選び抜いた米と日本料理を組み合わせた創作和食を提供する予約制の店です。
店の開業にあたってはクラウドファンディングを実施し、約1,800万円の支援を集めたとされています。BreakingDownやSNSで獲得した知名度を飲食店の開業につなげたことで、「BreakingDownドリームを実現した人物」としても注目されました。
公表されているプロフィールによると、「割烹 こめを」は年商1億5,000万円を達成し、おせち料理の通信販売でも約5,000万円を売り上げたとされています。ただし、これらは本人側が公開している実績であり、利益額を示したものではありません。売上が大きくても、食材費、人件費、家賃などを差し引いた利益がどれほど残っているかは別の問題です。
蟹ラーメン専門店「かにを」に挑戦
こめおさんは2026年、東京・浅草に蟹ラーメン専門店「かにを」をオープンしました。この店では、カニのうま味を強く感じられるスープと、辛さを選べるラーメンを提供しています。
代表的なメニューは「THE CLAAAAAB」で、価格は2,000円です。辛さは0辛から10辛に加え、30辛、100辛なども用意され、単に辛いだけではなく、カニのうま味と辛さを一緒に楽しめる味を目指したと説明されています。
こめおさんは味づくりを主導し、約2年間にわたって試作と改良を重ねたとしています。「ラーメンは安い食べ物」という従来のイメージにとらわれず、良い食材を使った高価格帯の蟹ラーメンを国内外へ広げることを目標に掲げました。蟹ラーメン専門店「かにを」の事業概要
レシピ本『こめおメシ』も出版
2024年1月には、初のレシピ本『こめおメシ ごはんに合いすぎるおかず&どんぶり』を出版しました。本には、身近な食材で作れるおかずや丼など、料理初心者でも挑戦しやすい60品のレシピが収録されています。
本格的な割烹料理だけではなく、家庭にある食材を使い、少しの工夫でご飯がおいしくなる料理を紹介しているのが特徴です。著者印税の一部は、こめおさんが取り組んでいる子ども食堂の支援に充てられると発表されました。出版社によるレシピ本の紹介
子ども食堂などの支援活動
こめおさんは、全国の子ども食堂を支援する活動にも取り組んできました。子ども食堂とは、地域の子どもたちへ無料または低価格で食事を提供する場所です。家庭の経済状況にかかわらず、子どもが温かい食事を取れる場所として全国に広がっています。
自身も苦しい時期を経験したことから、料理を通じて子どもたちを支援したいという考えがあるようです。レシピ本の印税の一部を寄付するほか、食材や食事に関する活動を行ってきました。
こめおさんが人気を集めた理由
こめおさんの人気は、料理がおいしいという評価だけで生まれたものではありません。最大の特徴は、少年刑務所から出所し、料理人として働き、BreakingDownをきっかけに人生を立て直していくという分かりやすい物語です。
また、良くも悪くも感情を隠さず、自分の考えをはっきり発信する人物です。BreakingDownでは相手に強く言い返し、料理の世界では食材や店づくりに熱意を見せるなど、その振れ幅が視聴者を引きつけました。
一方で、感情的な言動やSNS上での対応が批判されることもあります。強い発信は注目を集めやすい反面、言葉や対応を間違えると炎上につながりやすくなります。こうした危うさも含めて、注目され続けてきた人物だといえるでしょう。
冷やし蟹ラーメンによる食中毒事故
2026年8月、こめおさんが統括料理長を務める「割烹 こめを」は、麻布十番納涼まつりで「冷やし蟹ラーメン」を販売しました。その後、ラーメンを食べた人から下痢、腹痛、発熱などの症状が相次いで報告されました。
港区は調査の結果、冷やし蟹ラーメンを原因とするサルモネラ属菌による食中毒だったと正式に断定しました。2026年9月3日の発表時点で患者は78人、そのうち51人が医療機関を受診し、3人が入院しました。入院した3人は全員すでに退院しています。
港区は「割烹 こめを」に対し、9月3日から9日まで7日間の営業停止を命じました。こめおさんは謝罪し、被害を受けた人への補償を進めるとともに、店の営業を当面休止して、衛生管理体制の見直しと再発防止策に取り組むと説明しています。港区による食中毒事故の正式発表
SNSでは、祭り初日に余った700食を翌日に使い回したのではないかという疑惑も出ましたが、こめおさん側は使い回しを否定しています。港区の発表にも、前日の商品を使い回したことが原因だったとは書かれていません。冷やし蟹ラーメンによる食中毒だったことは確定していますが、どの食材や調理工程からサルモネラ属菌が入ったのかは公表されていないため、確認された事実とSNS上の推測を分ける必要があります。
今後の評価を左右するのは再発防止と被害者対応
こめおさんは、刑務所から出所した後、BreakingDownをきっかけに注目を集め、料理人・経営者として大きく活動を広げてきました。その歩みは「失敗しても人生をやり直せる」という希望を感じさせる一方、今回の食中毒事故によって、料理人として最も重要な食の安全と信頼が問われる状況になりました。
食中毒事故が発生した以上、謝罪だけで終わらせず、被害を受けた人に誠実に対応し、原因を検証して、具体的な再発防止策を示すことが必要です。食材の保管温度、調理器具の管理、従業員の体調確認、大量調理時の作業方法などをどこまで見直せるかが重要になります。
また、SNSで強い言葉を発信することよりも、事実に基づいた説明を継続し、改善した内容を明らかにすることが信頼回復への近道です。今後のこめおさんを評価するうえでは、過去の人気や知名度だけでなく、被害者への補償と再発防止をどこまで責任を持って実行するかを見る必要があります。
まとめ
こめおさんは、少年刑務所への収監という過去を経験しながら、出所後に料理人として働き、BreakingDownへの出演をきっかけに有名になった人物です。「闘う料理人」として人気を集め、麻布十番の「割烹 こめを」、浅草の蟹ラーメン専門店「かにを」の運営、レシピ本の出版、子ども食堂の支援など、料理を中心に活動を広げてきました。
負けん気の強さと行動力、過去から人生を立て直してきた姿が支持される一方、感情的な言動やSNSでの対応にはたびたび賛否が起きています。そして2026年には、割烹こめをが販売した冷やし蟹ラーメンによって78人が発症する食中毒事故が発生しました。
こめおさんは、格闘家から料理人へ転身したというより、料理人として働きながら格闘技で知名度を獲得し、その知名度を飲食事業へつなげた人物です。大きな失敗から再起して成功をつかんだ行動力は特徴の一つですが、今回失った食の安全に対する信頼を取り戻せるかどうかは、今後の被害者対応と再発防止にかかっています。




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