どうも、おはよう、こんにちは、こんばんは、ミギーです。
最近、外を歩いていて、こんなことを感じたことはないでしょうか。
「昔より虫を見なくなった気がする」
「これだけ暑いのに、昼間にセミやチョウがあまり飛んでいない」
「虫も暑さで絶滅してしまうのではないか」
私自身も、日中に外を歩いていると、以前より虫の姿が少なくなったように感じることがあります。
ただ、昼間に虫を見なくなったからといって、すべての虫が急に死んだわけではありません。
猛暑を避けて隠れている虫もいれば、実際に生息数が減っている虫もいます。
今回は、最近の暑さで虫を見なくなった理由と、昆虫全体の数が本当に減っているのかについて、初心者にも分かりやすく解説します。
結論:暑さで隠れている虫もいるが、長期的には減少している可能性が高い
最初に結論を言うと、現在起きていることは、大きく分けて次の2つです。
1つ目は、暑すぎるため、虫が昼間の活動を控えていることです。
2つ目は、生息環境の変化などによって、虫の数そのものが長期的に減っていることです。
つまり、
「昼間に虫が見えないだけで、数は変わっていない」
とも言い切れませんし、
「暑さですべての虫が死んでいる」
というわけでもありません。
暑さによる一時的な活動の変化と、長期的な個体数の減少が同時に起きている可能性があります。
なぜ猛暑の日中には虫を見なくなるのか
昆虫は、人間のように体温を一定に保つことが苦手な変温動物です。
周囲の気温が上がれば、虫の体温も上がります。
気温が適度に高い場合は、動きが活発になる虫もいます。しかし、一定の温度を超えると、体温が上がりすぎたり、体内の水分を失ったりする危険が高まります。
そのため、真夏の非常に暑い時間帯には、次のような場所へ移動します。
- 葉の裏
- 木の幹の陰
- 草むらの奥
- 土の中
- 石や落ち葉の下
- 建物の隙間
- 日陰の涼しい場所
人間が猛暑日に外出を控えるのと同じように、虫も暑い時間帯を避けているのです。
特に、直射日光が当たるアスファルトやコンクリートの周辺は、気温以上に表面温度が高くなることがあります。
そのような場所では、昼間に虫がほとんど見えなくなっても不思議ではありません。
虫の活動時間が朝や夕方、夜へ変わっている
昼間に見えない虫が、早朝や夕方になると現れることがあります。
これは、虫が活動時間を変えているためです。
例えば、昼間の暑さが厳しい場合には、朝の涼しい時間帯に餌を探したり、夕方から夜にかけて移動したりします。
そのため、虫の数を確認する場合は、昼の一番暑い時間帯だけを見るのではなく、
- 朝6時から8時ごろ
- 日没前後
- 夜間の街灯周辺
- 公園や川沿いの木陰
などを観察する必要があります。
昼間に見えなくても、時間や場所を変えると見つかる可能性があります。
では、昆虫全体の数は変わっていないのか
残念ながら、昆虫全体の数が変わっていないとは言い切れません。
世界各地の長期調査をまとめた研究では、陸上昆虫の個体数は平均して1年あたり約0.92%、10年間では約9%減少したと推定されました。一方で、淡水に生息する昆虫は増加傾向が示された地域もあり、すべての虫が同じように減っているわけではありません。
ただし、この数字は「世界中のすべての虫が、必ず10年で9%減る」という意味ではありません。
昆虫の変化には、地域差や種類による差が非常に大きくあります。
都市部で急激に減っている虫もいれば、農村部や森林で比較的安定している虫もいます。
反対に、温暖化によって生息地域を広げている虫や、発生回数が増えている害虫もいます。
したがって、昆虫全体を一つの数字で表すことは難しいのです。
虫の数を正確に調べるのが難しい理由
昆虫の総数を正確に調べるのは、非常に困難です。
日本だけでも昆虫は膨大な種類が存在すると考えられており、まだ正式に確認・記載されていない種類も多く残っています。環境省の資料でも、日本の昆虫は7万~10万種と推定される一方、記載されている種類は約3万種にとどまるとされています。
さらに、虫は小さく、季節や天候によって活動量が大きく変わります。
同じ公園でも、
- 気温
- 雨の量
- 風の強さ
- 草刈りの時期
- 農薬の使用
- 周辺の工事
- 調査する時間帯
などによって、見つかる虫の数が変わります。
そのため、「今年は虫を見ない」という個人の感覚だけで、すぐに絶滅や個体数減少を判断することはできません。
しかし、複数の地域で長期間調査を続けた結果、減少傾向が報告されている昆虫が存在することも事実です。
昆虫が減る原因は暑さだけではない
昆虫が減る原因として、猛暑や地球温暖化が注目されますが、実際には複数の原因が重なっています。
1.生息場所の減少
虫にとって最も大きな問題の一つが、住む場所の減少です。
草地や雑木林、湿地、水田、小川などが住宅地や道路、商業施設に変わると、そこに暮らしていた虫は餌や産卵場所を失います。
国立環境研究所も、市街地化、森林伐採、河川改修、農地整備などによる環境変化が、生物の生息場所を失わせる要因になると説明しています。
成虫が一時的に別の場所へ移動できても、幼虫が育つ環境や卵を産む場所がなければ、その地域で世代をつなげられません。
2.猛暑と乾燥
高温そのものに耐えられない虫もいます。
特に問題なのは、短時間の暑さよりも、極端な高温や乾燥が長期間続くことです。
虫は種類ごとに耐えられる温度が異なります。
暑さに比較的強い虫は生き残れますが、涼しい環境を好む虫や、特定の季節だけ活動する虫は影響を受けやすくなります。
研究では、昆虫が環境に合わせて耐えられる温度を変化させる能力には限界があり、周囲の温度が1度上昇しても、上限温度への適応は平均約0.09度にとどまるという分析もあります。
つまり、気温が急速に上昇すると、すべての虫が簡単に暑さへ適応できるわけではありません。
3.餌となる植物の変化
チョウやハチなど、多くの昆虫は花の蜜や花粉、植物の葉を餌にしています。
猛暑や少雨で植物が枯れたり、花の咲く時期が変わったりすると、虫の餌が不足します。
また、虫が活動を始める時期と、植物が花を咲かせる時期がずれる可能性もあります。
虫そのものが暑さに耐えられたとしても、餌がなければ生き残ることはできません。
4.農薬や殺虫剤
農薬や殺虫剤は、農作物や住宅を害虫から守るために重要です。
一方で、使用方法や環境によっては、対象としていない昆虫や水中生物に影響を与える可能性があります。
虫の減少には、農薬だけでなく、生息地の減少、気候変動、外来種など、複数の原因が関係しているとされています。
「虫が減った原因は、すべて農薬である」と単純に決めつけるのではなく、地域ごとの環境を総合的に見る必要があります。
5.街灯や夜間照明
夜に活動するガや甲虫などは、人工の光に引き寄せられることがあります。
強い照明の周囲を飛び続けると、餌を探したり、繁殖相手を見つけたりする時間が減ってしまいます。
また、明るい場所へ集まることで、鳥やクモなどに捕食されやすくなる可能性もあります。
6.草刈りや空き地の減少
きれいに整備された公園や住宅地は、人間にとって利用しやすい環境です。
しかし、草を短期間ですべて刈り取ってしまうと、草を餌にしていた虫や、茎に卵を産んでいた虫の居場所が失われます。
虫にとっては、一見すると雑草に見える植物も、大切な餌や隠れ場所なのです。
すべての虫が減っているわけではない
ここで注意したいのは、すべての昆虫が同じように減っているわけではないことです。
暑さに強い種類や、人間の生活環境に適応しやすい種類は、むしろ増える場合があります。
例えば、
- 暖かい地域を好む虫
- 都市部でも生活できる虫
- 家屋の中で餌を確保できる虫
- 年に何度も繁殖できる虫
- 冬の寒さで死んでいた害虫
などは、気温の上昇によって活動期間が長くなる可能性があります。
最近の研究でも、温暖な環境に適応した昆虫が、気温上昇や土地利用の変化によって有利になる可能性が示されています。
そのため、将来は「虫がすべていなくなる」というより、
「特定の虫が減り、一部の暑さに強い虫ばかりが増える」
という変化が起きる可能性があります。
暑さに弱い虫は涼しい地域へ移動する
気温が高くなりすぎた地域では、虫が北側や標高の高い場所へ生息域を移すことがあります。
実際に、温暖化に伴って生物の分布が高緯度や高標高へ移動したり、一部の昆虫が地域的に姿を消したりする事例が報告されています。
ただし、すべての虫が自由に移動できるわけではありません。
途中に市街地や道路、大きな河川などがあると、適した環境まで移動できない場合があります。
また、高い山に暮らしている昆虫は、さらに涼しい場所へ移動しようとしても、山頂より上には移動できません。
このような種類は、気温上昇の影響を強く受ける可能性があります。
虫が減ると人間の生活にも影響する
虫が苦手な人にとっては、「虫が少なくなれば暮らしやすくなる」と感じるかもしれません。
しかし、昆虫は自然の中で重要な役割を持っています。
植物の受粉を助ける
ハチ、チョウ、ガ、ハエ、甲虫などは、花から花へ移動して花粉を運びます。
この働きによって、多くの植物が種や果実を作ることができます。
受粉を担う昆虫が減れば、野生植物だけでなく、果物や野菜などの生産にも影響が出る可能性があります。
鳥や魚などの餌になる
昆虫は、鳥、魚、カエル、トカゲ、クモなど、多くの生き物の餌です。
虫が減ると、それを食べる生き物も餌不足になります。
昆虫だけの問題ではなく、食物連鎖全体に影響が広がる可能性があるのです。
落ち葉や死骸を分解する
昆虫の中には、落ち葉、枯れ木、動物のふんや死骸などを食べる種類がいます。
こうした虫が有機物を細かくすることで、微生物による分解が進み、栄養が再び土へ戻ります。
昆虫は自然界の掃除役でもあります。
害虫を食べる
すべての虫が農作物へ害を与えるわけではありません。
テントウムシやカマキリ、トンボなどは、別の昆虫を食べます。
害虫を食べる虫まで減ってしまうと、結果的に農作物を害する虫が増える可能性もあります。
「セミが鳴いていない」と感じたら
真夏なのにセミが少ないと感じることもあります。
セミは気温が高いほど必ず活発になるわけではありません。
気温、日差し、雨、風、時間帯などによって鳴き方が変わります。
特に極端に暑い時間帯や、強い雨の後などは、一時的に鳴き声が少なくなることがあります。
また、セミの幼虫は数年間を土の中で過ごします。
そのため、今年のセミの数は、今年の気温だけではなく、数年前の土地や木々の状態にも影響されます。
近所の雑木林が伐採されたり、大規模な工事で土が掘り返されたりすると、その後のセミの発生数が変わる可能性があります。
身近な虫が本当に減ったか確認する方法
本当に虫が減ったのか確認したい場合は、一度見ただけで判断せず、同じ場所を継続して観察することが大切です。
おすすめは、スマートフォンで簡単な記録を残す方法です。
記録する内容は、次の程度で構いません。
- 観察した日
- 時間
- 場所
- 天気
- 気温
- 見つけた虫
- おおよその数
- 草刈りや工事の有無
毎週同じ時間、同じ道を歩いて記録すると、季節による変化が分かりやすくなります。
昼間にいなかった場合は、朝や夕方にも確認してみましょう。
時間を変えても見つからず、前年まで多かった種類が長期間見られなくなった場合は、実際に個体数が減っている可能性があります。
私たちにできること
個人で地球全体の環境を変えることは難しいですが、身近な場所で虫が暮らしやすい環境を残すことはできます。
例えば、
- 庭やベランダに地域の植物を植える
- 殺虫剤を必要以上に使わない
- 夜間照明を必要な時間だけ使用する
- 落ち葉や枯れ枝を一部残す
- 草を一度にすべて刈らない
- 水辺や土のある場所を残す
- 昆虫や植物の記録を続ける
といった方法があります。
ただし、蚊やスズメバチ、マダニなど、人の健康や安全に関係する虫まで無条件に保護する必要はありません。
住宅周辺では、人間の安全を優先しながら、必要以上に昆虫全体を排除しないことが大切です。
今後、日本の暑さはさらに厳しくなる可能性がある
日本では、今後も平均気温の上昇や猛暑日の増加が予測されています。
国立環境研究所の気候変動適応情報プラットフォームでは、日本の年平均気温が今世紀末までに約1.4~4.5度上昇し、猛暑日の日数も増える可能性が示されています。
また、気象庁の観測では、日本の年平均気温は長期的に100年あたり約1.44度の割合で上昇しています。2025年の日本の年平均気温も、統計開始以降3番目に高い値でした。
このまま暑さが強くなれば、昆虫の活動時間や生息地域、発生する季節も変わっていくと考えられます。
虫は絶滅してしまうのか
昆虫全体が近いうちにすべて絶滅する可能性は、現実的ではありません。
昆虫は種類が非常に多く、砂漠、森林、河川、都市、家屋の中など、さまざまな環境に適応しています。
しかし、特定の地域や環境にしか生息できない虫は、絶滅する可能性があります。
特に、
- 特定の植物しか食べない
- 涼しい地域にしか住めない
- 湿地や草原など限られた環境が必要
- 移動能力が低い
- 繁殖回数が少ない
といった虫は、環境の変化に弱い傾向があります。
重要なのは、「昆虫全体が一度に消えるかどうか」ではありません。
身近な場所から特定の虫が一種類ずつ消え、生態系のバランスが少しずつ変わってしまうことの方が、現実的な問題です。
まとめ
最近、猛暑の日中に虫を見かけなくなった理由には、虫が暑さを避けて木陰や土の中へ移動し、活動時間を朝夕や夜へ変えていることが考えられます。
そのため、昼間に虫がいないだけで、すぐに絶滅したとは判断できません。
一方で、世界各地の調査では、陸上昆虫の個体数が長期的に減少している可能性も示されています。
虫が減る原因は、猛暑だけではありません。
生息場所の減少、草地や水辺の消失、農薬、夜間照明、乾燥、餌となる植物の変化など、さまざまな原因が重なっています。
また、すべての虫が減るわけではなく、暑さに強い種類や都市に適応した種類が増える可能性もあります。
これから起きる可能性が高いのは、
「虫が全部いなくなること」
ではなく、
「環境に弱い虫が減り、暑さや都市環境に強い虫へ入れ替わっていくこと」
だと考えられます。
虫は小さな存在ですが、植物の受粉、落ち葉の分解、鳥や魚の餌、害虫の抑制など、自然の中で非常に重要な役割を持っています。
最近虫を見なくなったという身近な変化は、単なる気のせいではなく、私たちの周囲の環境が変わり始めているサインなのかもしれません。




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