おはようございます、こんにちは、こんばんは。ミギーです。
2026年7月、横浜家系ラーメンや油そばなど、複数のラーメン店を展開していた会社が事業を停止したというニュースが報じられました。
見出しだけを見ると、
「横浜家系ラーメンの大手チェーンが倒産したの?」
「家系ラーメンそのものが厳しくなっているの?」
と感じる方もいるかもしれません。
しかし、今回事業を停止したのは、全国の横浜家系ラーメン店を運営する一つの大手企業ではありません。
大分市で人材派遣業を営みながら、ラーメン店を複数展開していた「ジョイントビズおおいた」という会社です。
同社は、本業の人材派遣に加えて飲食店へ進出し、横浜家系ラーメン、豚骨ラーメン、油そば、朝ラーメンなど、さまざまな業態を展開していました。
ところが、本業では人材確保に苦戦し、飲食事業では食材価格の高騰などによって採算が悪化。経費削減を進めたものの経営を立て直せず、事業停止に追い込まれました。
今回の倒産は、単なる「ラーメン店の閉店」という話ではありません。
本業の不振を新しい事業で補おうとしたものの、結果として経営の負担が大きくなった「多角化失敗」の事例としても注目されます。
今回は、この会社に何が起きたのか、なぜラーメン店の経営が厳しいのか、多角化にはどのような危険があるのかを初心者向けに解説します。
- 事業を停止した「ジョイントビズおおいた」とは
- 展開していたラーメン店
- 2026年7月12日に事業を停止
- なぜ経営が悪化したのか
- 理由1 本業の人材派遣で人が集まらなかった
- 理由2 ラーメン店の食材価格が上昇した
- 理由3 店舗を増やすほど固定費も増える
- 理由4 異なるラーメン業態を同時に運営していた
- 「多角化」とは何か
- 多角化はなぜ行われるのか
- 本業が苦しいときの多角化は危険
- 朝ラーメン店を閉鎖して経費削減
- 横浜家系ラーメン全体が倒産したわけではない
- ラーメン店の倒産は実際に増えている
- ラーメン店を苦しめる「1,000円の壁」
- 人手不足もラーメン店を直撃
- 飲食業全体でも倒産が過去最多
- 人気店でも倒産する可能性がある
- 多角化を成功させるために必要なこと
- 今後もラーメン店の淘汰は続くのか
- 今回の倒産から分かること
- まとめ
事業を停止した「ジョイントビズおおいた」とは
今回、事業を停止したのは、大分市に本社を置く「ジョイントビズおおいた」です。
東京商工リサーチ大分支店の情報によると、同社は2017年2月に設立されました。
もともとの主力事業は、次のようなものでした。
- 人材派遣
- 業務請負
- 企業への人員提供
つまり、最初からラーメン店を経営する会社だったわけではありません。
企業へ働く人を派遣したり、業務の一部を請け負ったりする人材関連会社として事業を始めています。
ところが、2022年になると飲食事業へ参入します。
大分市中央町に「横浜家系ラーメン 高崎家」を出店し、その後も別のラーメン店を相次いで展開しました。
展開していたラーメン店
報道によると、ジョイントビズおおいたは次の店舗を運営していました。
横浜家系ラーメン 高崎家
2022年に大分市中央町へ出店した、横浜家系ラーメンの店舗です。
横浜家系ラーメンとは、一般的に豚骨しょうゆ味の濃厚なスープと太めの麺を特徴とするラーメンです。
ほうれん草、チャーシュー、海苔などがトッピングされ、ご飯との相性がよいラーメンとして人気があります。
ラーメンバリ豚
名前のとおり、豚骨系ラーメンを中心とした店舗だったとみられます。
家系ラーメンとは別のブランドとして展開することで、違う客層を取り込もうとした可能性があります。
油そば熊八商店
油そばは、スープのないラーメンです。
たれと油を麺に絡めて食べるため、スープを大量に仕込む必要がなく、一般的にはラーメンより原価や調理工程を抑えやすい業態ともいわれます。
しかし、油そばは参入する店も多く、価格や味、立地で差別化できなければ競争が激しくなります。
朝ラーメンらいおん食堂
朝の時間帯にラーメンを提供する、いわゆる「朝ラーメン」の業態です。
通常の昼食・夕食需要だけでなく、早朝勤務の人や飲食後の利用客など、新しい需要を狙った店舗だったと考えられます。
同社は、横浜家系、豚骨、油そば、朝ラーメンと、ラーメンの中でも異なるブランドを複数展開していました。
一見すると、さまざまな客層を取り込める魅力的な戦略に見えます。
しかし、ブランドや店舗を増やせば、それだけ経営管理も複雑になります。
2026年7月12日に事業を停止
ジョイントビズおおいたは、2026年7月12日に事業を停止しました。
負債総額は報道時点で調査中となっており、今後、破産手続きを申請する見通しです。
ここで注意したいのは、「事業停止」と「破産手続き開始」は、厳密には同じ意味ではないということです。
事業停止とは
会社が通常の営業活動をやめた状態です。
店舗営業や取引、従業員の勤務などが停止されます。
破産とは
裁判所の手続きによって会社の財産を整理し、債権者へ配当する手続きです。
今回の報道では、同社はすでに営業を停止していますが、正式な破産申請は今後行われる見通しとされています。
そのため、報道時点では「倒産の準備に入った」「破産申請の見通し」という段階です。
なぜ経営が悪化したのか
報道で挙げられている主な理由は、大きく分けて二つです。
- 本業の人材派遣で人員確保に苦戦した
- 飲食事業で食材価格が上がり、採算が悪化した
一つずつ見ていきましょう。
理由1 本業の人材派遣で人が集まらなかった
人材派遣会社にとって、働いてくれる人材は商品そのものともいえます。
派遣先企業から仕事を受注できても、実際に働く人を確保できなければ売上にはつながりません。
近年は、さまざまな業界で人手不足が深刻になっています。
最低賃金の上昇や求人競争の激化により、以前と同じ時給や待遇では応募者が集まりにくくなっています。
人材を確保するために賃金を上げれば、派遣会社が負担する人件費も増えます。
一方で、派遣先企業へ請求する料金を十分に上げられなければ、会社に残る利益は減少します。
今回の会社も、本業の人材派遣で人員確保に苦戦していたと報じられています。
本業で十分な利益や資金を確保できない中、新しい飲食事業へ資金を投入したことが、経営を難しくした可能性があります。
理由2 ラーメン店の食材価格が上昇した
ラーメン一杯を作るためには、さまざまな材料が必要です。
- 小麦粉を使った麺
- 豚肉や鶏肉
- 豚骨や鶏ガラ
- しょうゆや油
- 海苔
- 卵
- ネギやほうれん草
- 米
これらの価格が少しずつ上昇すると、ラーメン一杯当たりの原価も上がります。
特に家系ラーメンは、濃厚なスープ、チャーシュー、海苔など複数の材料を使用します。
スープを長時間炊く店舗では、ガス代や電気代も大きな負担になります。
しかし、原価が上がったからといって、ラーメンの値段を簡単に上げられるわけではありません。
ラーメンは、消費者の中で「手軽に食べられる庶民的な食事」という印象が強いからです。
800円だったラーメンを1,000円や1,100円へ値上げすると、
「ラーメンに1,000円以上は高い」
と感じる人もいます。
値上げをしなければ利益が減り、値上げをすれば客数が減る。
ラーメン店は、この難しい問題に直面しています。
理由3 店舗を増やすほど固定費も増える
飲食店は、開店しただけで多くの費用が発生します。
- 店舗の家賃
- 従業員の給与
- 水道光熱費
- 食材費
- 厨房設備のリース代
- 清掃費
- 廃棄費用
- 求人広告費
- 決済手数料
- 販促費
売上が少ない日でも、家賃や人件費は発生します。
これらは固定費と呼ばれます。
1店舗だけであれば、経営者自身が店舗に入り、細かく管理することも可能です。
しかし、店舗が2店、3店、4店と増えると、各店舗に責任者や店長が必要になります。
さらに、
- 発注
- シフト作成
- 売上管理
- 衛生管理
- スタッフ教育
- クレーム対応
- 設備管理
などの仕事も増えていきます。
売上が増える以上のペースで経費が増えれば、店舗数を増やしても会社全体の利益は増えません。
むしろ、赤字店舗が一つ加わるだけで、既存店の利益まで食いつぶすことがあります。
理由4 異なるラーメン業態を同時に運営していた
同社は、すべて同じブランドの店舗を増やしたわけではありません。
横浜家系、豚骨、油そば、朝ラーメンという異なる業態を展開していました。
ブランドを分けることにはメリットもあります。
例えば、家系ラーメンを好まない人を油そば店で取り込める可能性があります。
しかし、業態が違えば、次のものも変わります。
- 使用する食材
- 仕入れ先
- 調理手順
- 店舗の営業時間
- 販売価格
- ターゲット客
- 広告方法
- スタッフ教育
同じメニューを複数店舗で販売する場合は、食材の共同仕入れやマニュアルの共通化ができます。
一方、異なるブランドを複数運営すると、経営管理が複雑になります。
実際の詳しい経営状況は公表されていませんが、複数の異なる業態を短期間で展開したことが、管理負担を重くした可能性はあります。
「多角化」とは何か
多角化とは、会社が現在の主力事業とは異なる事業へ進出することです。
今回の会社の場合、もともとの主力は人材派遣でした。
そこからラーメン店を運営する飲食事業へ進出しています。
人材派遣とラーメン店では、必要となる知識や設備が大きく異なります。
人材派遣業で必要なもの
- 求職者の募集
- 派遣先の開拓
- 労務管理
- 契約管理
- 給与計算
- 法律への対応
飲食業で必要なもの
- メニュー開発
- 食材の仕入れ
- 調理技術
- 衛生管理
- 立地選定
- 店舗運営
- 接客
- 廃棄管理
人材派遣会社が飲食業へ参入すること自体が悪いわけではありません。
しかし、本業とは異なる専門知識や人材、管理体制を一から用意する必要があります。
多角化はなぜ行われるのか
企業が多角化する主な目的は、収入源を増やすことです。
一つの事業だけに依存していると、その業界が不振になったときに会社全体が危険になります。
例えば、人材派遣業の売上が落ちても、飲食業が好調であれば、会社全体の利益を維持できるかもしれません。
このように複数の事業を持つことで、リスクを分散する考え方があります。
ただし、多角化がリスク分散になるのは、新しい事業が安定して利益を出せる場合です。
赤字の事業を増やせば、リスク分散ではなく「赤字の分散」になってしまいます。
本業が苦しいときの多角化は危険
多角化で特に危険なのが、本業が弱っている段階で新規事業へ大きく投資することです。
新規事業は、始めてすぐに利益が出るとは限りません。
飲食店を始める場合には、開店前から多額の費用がかかります。
- 物件取得費
- 保証金
- 内装工事
- 厨房設備
- 看板
- 食器
- スタッフ採用
- 広告宣伝
開店後も、店が地域に認知されて固定客がつくまで時間がかかります。
その期間の赤字を、本業の利益や会社の現預金で支えなければなりません。
本業が好調で資金に余裕があれば、数か月から数年かけて新規事業を育てることも可能です。
しかし、本業の売上や利益が低下している場合、新規事業の赤字に耐えられません。
今回のケースでは、本業で人材確保に苦戦する中、複数の飲食店を展開していました。
報道だけで経営判断のすべてを断定することはできませんが、本業と新規事業の両方が苦しくなったことで、資金繰りが厳しくなったと考えられます。
朝ラーメン店を閉鎖して経費削減
同社は、経営悪化を受けて何も対策をしなかったわけではありません。
2026年3月には、「朝ラーメンらいおん食堂」を閉鎖しています。
不採算店を閉めることで、家賃や人件費、光熱費などを削減しようとしたとみられます。
しかし、その後も経営状況は改善せず、2026年7月12日に事業を停止しました。
店舗を閉鎖すれば、毎月の経費は減ります。
一方で、閉店にも費用がかかります。
- 原状回復工事
- 設備の撤去
- リース契約の解約
- 従業員への対応
- 残った食材や備品の処分
経営状況が悪化してから店舗を閉めても、すでに借入金や未払い金が膨らんでいる場合、会社全体を立て直すには間に合わないことがあります。
横浜家系ラーメン全体が倒産したわけではない
今回のニュースで、特に誤解しやすいのが「横浜家系」という言葉です。
横浜家系ラーメンは、一つの会社名やチェーン名だけを指すものではありません。
豚骨しょうゆ味のスープや太麺などを特徴とする、ラーメンのジャンルとして広く使われています。
そのため、全国にある家系ラーメン店が、すべて同じ会社によって経営されているわけではありません。
今回事業を停止したのは、大分市で「横浜家系ラーメン 高崎家」などを経営していたジョイントビズおおいたです。
全国の家系ラーメン店や、ほかの有名チェーンが一斉に倒産したわけではありません。
ニュースの見出しだけを見て、「横浜家系ラーメン全体が危ない」と誤解しないよう注意が必要です。
ラーメン店の倒産は実際に増えている
今回の倒産は、一企業だけの特殊な問題ではありません。
ラーメン店を取り巻く経営環境は、全国的に厳しくなっています。
東京商工リサーチによると、2025年度のラーメン店の倒産は57件でした。
前年度より21.2%増加し、集計可能な2009年度以降では、過去最多だった2023年度の63件に次ぐ2番目の高水準です。
さらに、2025年度は負債総額も40億6,100万円に達し、前年度から96.7%増加しました。
負債1億円以上の倒産も10件となり、小規模店だけでなく、中堅規模のラーメン店にも倒産が広がっています。
つまり、
「個人経営の小さな店だけが苦しい」
という状況ではなくなっています。
複数店舗を運営する企業でも、原価、人件費、借入金、店舗維持費の負担によって経営が行き詰まるケースが増えています。
ラーメン店を苦しめる「1,000円の壁」
ラーメン業界では、以前から「1,000円の壁」があるといわれてきました。
ラーメンが1杯1,000円を超えると、消費者が高いと感じて来店回数を減らす可能性があるという考え方です。
しかし、現在は次のコストが上昇しています。
- 小麦
- 肉
- 卵
- 米
- 海苔
- 油
- ガス
- 電気
- 人件費
- 家賃
- 配送費
これらを考えると、800円や900円でラーメンを提供し続けることが難しい店舗も増えています。
そこで値上げをすると、今度は消費者から「高い」と判断されます。
東京商工リサーチも、原材料費や人件費、光熱費の上昇がラーメン店へ重くのしかかり、値上げ後は消費者から味と価格の納得感をより厳しく見られるようになったと指摘しています。
人手不足もラーメン店を直撃
2025年度のラーメン店の「人手不足倒産」は8件となり、過去最多でした。
前年度から約2.6倍に増えています。
ラーメン店は、単純に麺をゆでるだけの仕事ではありません。
- スープを仕込む
- チャーシューを作る
- 野菜を切る
- 麺をゆでる
- 盛り付ける
- 接客する
- 食器を洗う
- 店内を清掃する
多くの作業を短時間でこなす必要があります。
昼食や夕食のピーク時間には注文が集中するため、一定数の従業員が欠かせません。
しかし、求人を出しても応募者が集まらなかったり、時給を上げなければ採用できなかったりする状況が続いています。
人が足りなければ営業時間を短縮しなければなりません。
営業時間を短縮すると売上が減ります。
一方、採用のために時給を上げれば人件費が増えます。
ラーメン店も、値上げと人件費上昇の板挟みになっています。
飲食業全体でも倒産が過去最多
厳しいのはラーメン店だけではありません。
東京商工リサーチによると、2026年1月から5月までの飲食業の倒産は411件でした。
同じ期間としては、1997年以降で過去最多です。
飲食業の物価高倒産は69件で、前年同期から43.7%増加しました。
人手不足倒産は28件で前年同期の2倍となり、そのうち人件費高騰による倒産は20件でした。
人件費高騰による倒産は、前年同期の約6.6倍に急増しています。
また、2026年1月から5月のラーメン店の倒産は28件で、前年同期から33.3%増加しました。
飲食業は、売上が回復しても利益が残らない「増収減益」の状態に陥りやすくなっています。
お客様が戻ってきても、食材費や人件費がそれ以上に上昇していれば、経営は楽になりません。
人気店でも倒産する可能性がある
飲食店は、お客様が入っているように見えても、必ずしも利益が出ているとは限りません。
例えば、1日に100人のお客様が来店し、客単価が1,000円だった場合、1日の売上は10万円です。
しかし、その10万円から次の費用を支払います。
- 食材費
- 人件費
- 家賃
- 水道光熱費
- 決済手数料
- 借入金の返済
- 税金
- 設備修理費
売上が多くても、経費がそれ以上にかかれば赤字です。
特に多店舗展開している企業では、一部の人気店が稼いだ利益を赤字店の穴埋めに使っているケースもあります。
外から見て混雑しているからといって、会社全体の経営が好調とは限らないのです。
多角化を成功させるために必要なこと
今回の事例から、多角化を成功させるために必要な条件が見えてきます。
本業が安定していること
新規事業は、軌道に乗るまで赤字になることがあります。
その赤字を支える本業の利益と資金が必要です。
小さく始めること
最初から複数店舗を展開するのではなく、まず1店舗で採算性を確認することが重要です。
売上だけでなく、
- 営業利益
- 人件費率
- 原価率
- 家賃比率
- 投資回収期間
などを確認しなければなりません。
本業との相乗効果があること
多角化は、本業と関係のある分野へ進出した方が成功しやすいとされます。
例えば、食品卸会社が飲食店を運営する場合、仕入れや商品開発の知識を生かせます。
一方、人材派遣とラーメン店では、業務内容が大きく異なります。
ただし、人材派遣で培った採用力や労務管理能力を飲食店へ生かすことができれば、一定の相乗効果は期待できます。
今回の会社では本業側でも人材確保に苦戦しており、その強みを十分に発揮することが難しかった可能性があります。
撤退基準を決めておくこと
新規事業を始める前に、
「何か月赤字が続いたら閉店する」
「累積赤字がいくらになったら撤退する」
といった基準を決めておくことが重要です。
経営者は、自分が始めた店に愛着を持ちます。
そのため、赤字でも「もう少し続ければ回復する」と判断し、撤退が遅れることがあります。
結果として、会社全体の資金を失うケースもあります。
今後もラーメン店の淘汰は続くのか
ラーメンの人気そのものがなくなったわけではありません。
家系ラーメン、二郎系、油そば、つけ麺、淡麗系など、さまざまなジャンルが支持されています。
しかし、人気がある市場には、新しい店や大手企業も参入します。
消費者が選べる店が増えるほど、競争は激しくなります。
今後のラーメン店には、おいしいラーメンを作るだけでなく、効率的な経営が求められます。
東京商工リサーチは、キャッシュレス券売機やセントラルキッチンなどの効率化に加え、集客力や付加価値を作れない店舗の淘汰が続く可能性を指摘しています。
必要になるのは、例えば次のような取り組みです。
- メニュー数を絞る
- 食材を共通化する
- 券売機を活用する
- 調理工程を簡略化する
- 廃棄を減らす
- 店舗ごとの損益を把握する
- SNSで固定客を増やす
- 高価格でも納得できる価値を作る
「味さえ良ければ繁盛する」という時代から、「味と経営の両方が良くなければ残れない」時代へ変わっています。
今回の倒産から分かること
今回のニュースから読み取れるポイントは、次のとおりです。
第一に、今回倒産準備に入ったのは、横浜家系ラーメン全体ではなく、大分市の一企業です。
第二に、本業の人材派遣で人員確保に苦戦しながら、飲食業へ多角化していました。
第三に、飲食店を複数展開したものの、食材価格の上昇などで採算が悪化しました。
第四に、店舗を閉鎖して経費削減を進めても、経営改善には至りませんでした。
そして第五に、この倒産は、ラーメン店や飲食業全体を取り巻く厳しい経営環境の一例といえます。
まとめ
大分市のジョイントビズおおいたは、人材派遣や業務請負を主力としていましたが、2022年から飲食事業へ参入しました。
その後、
- 横浜家系ラーメン 高崎家
- ラーメンバリ豚
- 油そば熊八商店
- 朝ラーメンらいおん食堂
などを展開しました。
しかし、本業では人材確保に苦戦し、飲食事業では食材価格の上昇などによって採算が悪化しました。
2026年3月には朝ラーメンらいおん食堂を閉鎖しましたが、経営を立て直せず、7月12日に事業を停止しました。
負債総額は調査中で、今後、破産手続きを申請する見通しです。
今回の事例は、新しい事業へ進出すれば簡単に売上を増やせるわけではないことを示しています。
多角化は、成功すれば会社の収入源を増やせます。
しかし、本業が不安定な状態で、経験の少ない業界へ複数店舗を展開すると、資金、人材、経営管理が分散します。
結果として、本業と新規事業の両方が悪化する危険があります。
また、ラーメン店は人気業種である一方、食材費、人件費、光熱費、家賃などの上昇を価格へ転嫁しにくい業種です。
今後は、味だけでなく、店舗運営の効率化や明確な付加価値を作れるかどうかが、生き残りを左右することになりそうです。
※この記事は2026年7月18日時点の報道および公開資料をもとに作成しています。負債額や破産手続きの状況などは、今後更新される可能性があります。




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